就職や転職などにより健康保険の種別が「国民健康保険」から「社会保険(健康保険)」に変わる方にとって、切り替えの手続きや保険料の扱いは気になるポイントです。この記事では、必要書類や申請方法、そして重複期間の保険料が戻るのかどうかについて、具体例を交えて詳しく解説します。
国民健康保険から社会保険へ切り替える理由とタイミング
会社に就職・転職した場合、その日から原則として社会保険に加入します。社会保険に加入した後は、国民健康保険を自動で脱退できるわけではなく、自ら市区町村役場での脱退手続きが必要です。
退職して国民健康保険に加入した後に再就職した場合も、速やかに切り替える必要があります。放置していると、国保と社保の両方に加入している「二重加入」状態になり、保険料も二重に発生してしまいます。
切り替え手続きに必要な書類一覧
市区町村によって若干異なることがありますが、一般的に以下の書類が必要です。
- 健康保険資格取得証明書(会社から発行)
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 印鑑(一部自治体では不要)
- 国民健康保険証(既に交付されている場合)
「健康保険資格取得証明書」は、社会保険の資格を有することを証明する文書で、市区町村への提出が必要です。これにより、国民健康保険から脱退できます。
重複期間の保険料は戻る?
万が一、国民健康保険と社会保険の「二重払い」が発生していた場合、重複期間の保険料については原則として「国民健康保険の保険料が返還される」ことになります。
返金を受けるには、社会保険の資格取得日を証明する書類を添えて、市区町村の窓口に「国民健康保険脱退届」を提出します。その際、過払いになっていた保険料については精算手続きが行われ、1~2か月後に指定口座に返金されるケースが一般的です。
返金対象とならないケースの注意点
以下のような場合は、保険料の返還が難しいケースもあります。
- 長期間放置していて請求期限が過ぎている
- 社会保険資格取得証明書が提出されていない
- 保険料の納付実績がない(未払い)
特に、請求には時効があるため、社会保険加入が判明した時点で早めに行動することが大切です。
実例:転職後に2か月間手続きが遅れたケース
ある30代会社員の方は、転職後に社会保険へ切り替えたものの、国民健康保険の脱退手続きを忘れてしまい、2か月間重複状態に。市役所に健康保険資格取得証明書を持参して手続きした結果、2か月分の国保保険料が返金されました。
このように、後からでも証明書を提出すれば返金対象になることが多いため、慌てずに必要書類をそろえて窓口に相談しましょう。
まとめ:早めの手続きと証明書の提出がカギ
国民健康保険から社会保険への切り替えにおいては、自動切替ではないため自分で手続きが必要です。重複期間が発生してしまった場合でも、資格取得証明書を提出すれば国保の保険料は返還される可能性が高いです。
「保険証が届いた=手続き完了」ではない点を理解し、忘れずに市区町村での脱退手続きを行いましょう。
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