社会保険証の事業所名が違うのはなぜ？勤務先との名称不一致の理由と確認ポイントを解説

健康保険証を見たとき、「事業所名称が勤務先と違う」と不安に感じる人も少なくありません。とくにあずさ健康保険組合のような大規模な組合に加入している場合、見慣れない会社名が記載されていることがあります。本記事ではその理由と背景、そして確認すべきポイントをわかりやすく解説します。

事業所名称と勤務先が違うケースは珍しくない

保険証に記載される「事業所名称」は、社会保険の手続き上の届け出をしている法人名や登記上の名称であることが多いです。そのため、実際に働いている場所の屋号や店舗名とは異なる場合があります。

たとえば、実際に勤務しているのが「○○カフェ秋葉原店」でも、保険証には運営元である「株式会社ABCホールディングス」と記載されることがあります。これは法的な届け出上、法人単位で保険組合に登録しているためです。

あずさ健康保険組合は、主に監査法人・コンサルティング企業やその関連会社が加入している企業健保です。大企業やそのグループ会社、アウトソーシング会社を通じた間接雇用も多く、実際に働いている会社名と保険証の事業所名が一致しないことがあります。

実際に「株式会社パーソルテンプスタッフ」などから派遣されて、クライアント先で働いている人が、その派遣元の法人名で保険証を持っているというのも同様のケースです。

以下のような雇用形態では、事業所名称の違いが起こる可能性が高くなります。

特に中小企業グループやフランチャイズ形態では、運営母体と実店舗の名称が異なることが多いため、保険証に見慣れない会社名が記載されていることがあります。

保険証の記載内容に不安を感じた場合は、以下のステップで確認するのが確実です。

これらを行うことで、不正な登録や名義貸しなどの心配がなくなるだけでなく、安心して保険証を使うことができます。

万が一、雇用実態と記載が大きく異なり、連絡先も不明な場合は、以下のような行動も考慮してください。

意図せぬ名義登録がされていた場合、年金記録や保険給付に支障をきたすおそれもあるため、早めに確認・是正しておくことが重要です。

保険証に書かれた「事業所名称」が自分の勤務先と異なる場合でも、法的にはまったく問題のないケースが多くあります。グループ会社や法人登録名義の違い、派遣元との契約など、さまざまな理由が考えられるため、まずは冷静に状況を確認しましょう。

不安が残る場合は、人事担当や保険組合に問い合わせ、安心して健康保険を活用できる体制を整えておくことが大切です。