国民健康保険と医師国保、夫婦で加入するならどっちが得?保険料・年金・メリットを徹底比較

国民健康保険

扶養や勤務日数、将来の年金額まで関わってくる健康保険の選択。特に「国民健康保険」と「医師国保」のどちらに加入すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、夫婦で国保から医師国保への切り替えを検討しているケースを想定し、それぞれの制度の違いや費用負担、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。

まず押さえたい:国民健康保険と医師国保の違いとは?

国民健康保険(以下、国保)は、市区町村が運営する保険制度で、個人事業主やフリーランス、扶養に入れないパート労働者などが加入します。

一方、医師国保(正式には「医師国民健康保険組合」)は、医療機関などに勤務する職員向けの業種別組合健保で、対象となる事業所で一定時間以上働くことで加入できます。保険料は組合ごとに独自に設定されています。

比較① 保険料の違い|どちらが安い?

国保の保険料は、所得に応じて決まるため、世帯の合算所得が高いと保険料も高くなります。加えて、均等割・平等割があり、加入者が多いとその分保険料が増えるのが特徴です。

医師国保は、組合によっては保険料が「定額」で決まっていることがあり、高所得世帯にとってはむしろ割安に感じられることがあります。たとえば夫婦で合算の年間国保料が50万円を超えている場合、医師国保に切り替えると年間10万円以上負担が軽くなるケースもあります。

比較② 年金制度との関係|厚生年金は将来の安心

国保に加入していると、年金は国民年金(第1号被保険者)になりますが、パート先で医師国保+厚生年金に入ると、第2号被保険者となり、将来受け取れる年金額が大きく増える可能性があります。

たとえば、厚生年金に10年間加入するだけで、基礎年金に加えて報酬比例の年金が上乗せされます。月収が10万円程度でも、将来的な年金額に1万円前後の差が出ることもあります。

比較③ 扶養と配偶者の扱い|夫婦で切り替える際の注意点

あなたが医師国保に加入した場合、配偶者(夫)も原則として医師国保に切り替える必要があります。これは、扶養制度が組合健保にはないためです。

夫は医師国保+国民年金という組み合わせになるため、国保部分では世帯単位での保険料計算はなくなり、個別に負担する形式になります。そのため、世帯全体での保険料負担が軽減される可能性もありますが、組合の規定によって異なるため詳細確認が必要です。

比較④ 働き方と保険の関係|出勤日数がカギになる

医師国保に加入するには、週20時間以上の勤務など一定の労働条件が求められることがあります。扶養内で働きたい場合はこの点に注意が必要です。

たとえば、出勤日数を増やして医師国保+厚生年金に加入すれば、保険料は増えるものの、将来の年金や医療給付の面でメリットがあります。一方、扶養にとどまると保険料負担は軽いですが、年金の将来性は限定的です。

まとめ|世帯のトータルで損得を考えるのがカギ

国民健康保険と医師国保、どちらが「安いか」「お得か」は、世帯全体の収入・家族構成・勤務条件・将来の年金見込みによって大きく変わります。

今の保険料が高いと感じているなら、医師国保への切り替えは有効な選択肢かもしれません。ただし、出勤日数や年金の構造も含めてトータルで判断することが重要です。一度、社会保険労務士や職場の保険担当者にシミュレーションを依頼してみるのもおすすめです。

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