厚生年金が給料から天引きされる理由と、従業員にとってのメリット・デメリット

社会保険

会社員として働いていると、毎月の給料から厚生年金保険料が天引きされています。一見「手取りが減るだけ」と感じる方もいるかもしれませんが、実は将来の生活やリスク対策に大きく関わる制度です。本記事では、厚生年金の基本と、従業員にとってのメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

厚生年金とは?基礎年金との違い

厚生年金は、国民年金(基礎年金)に上乗せして支給される公的年金制度です。会社などに勤める人が加入対象となり、保険料は会社と従業員が折半して支払います。

例えば、月収30万円程度の人の場合、約2万7千円の保険料のうち半分を会社が負担してくれています。これにより、自営業者などが加入する国民年金よりも将来の年金額は大幅に多くなります。

厚生年金のメリット① 将来受け取れる年金額が多い

厚生年金に加入していると、将来受け取れる年金は「老齢厚生年金」として国民年金に上乗せされます。平均的な会社員であれば、老後に月額15万円前後の年金を受け取れるケースも。

自営業者などが加入する国民年金だけでは月6万5千円前後の支給額となるため、老後の生活の安心感が大きく異なります。

厚生年金のメリット② 病気や障害・死亡時にも備えになる

厚生年金は「老後のための年金」というだけではありません。病気やけがで障害が残った場合の「障害厚生年金」や、加入者が亡くなったときに配偶者や子どもに支給される「遺族厚生年金」も含まれています。

例えば、40代で病気により働けなくなった場合、障害年金として毎月数万円〜十数万円が支給される可能性があります。これは、会社員ならではの手厚い保障です。

厚生年金のデメリット① 手取りが減る

最大のデメリットは、毎月の保険料負担です。厚生年金は収入に比例して保険料が決まるため、収入が高くなるほど手取りの圧迫感は強くなります。

たとえば、月収30万円の人は約2万7千円が天引きされ、手取りは27万円以下に。これが毎月続くため、負担に感じる方も多いです。

厚生年金のデメリット② 自分でコントロールしにくい

厚生年金は強制加入であり、自分の意思で加入をやめたり、積立額を調整したりできません。投資や民間の年金のように「自分で増やす」選択肢はないため、効率性の面で不満を感じる人もいます。

また、年金制度そのものに対する不安(将来受け取れるかどうか)から、納得感が得られにくいという声もあります。

民間の制度との併用も視野に

厚生年金だけでは将来の生活資金が不安な方には、iDeCo(個人型確定拠出年金)つみたてNISAなどの制度を活用して資産形成するのもおすすめです。これらは税制優遇があり、老後資金の「自助努力」を補完する仕組みとして注目されています。

会社員でも並行して始められるため、余力がある人は検討の価値があります。

まとめ

厚生年金は給料から天引きされる制度ですが、将来の年金だけでなく、障害・死亡といったリスクにも備えられる点で会社員にとって大きなメリットがあります。手取りが減るデメリットはあるものの、その分、社会保障の土台が強化されていると考えれば納得できる部分も多いでしょう。制度を正しく理解し、自分のライフプランに活かすことが大切です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました