障害基礎年金の更新期間が5年と通知され、驚かれる方も少なくありません。特に精神疾患の場合、2〜3年ごとの更新が一般的とされる中で、5年更新は珍しく感じるかもしれません。本記事では、双極性障害と障害年金に関する制度的背景と、更新期間の意味、さらに就労についての注意点を解説します。
障害基礎年金の「更新期間」とは何か?
障害基礎年金は原則として数年ごとに診断書の提出を求められ、状態を確認されたうえで支給継続の可否が判断されます。この確認の周期が「更新期間」です。
更新期間は1年〜5年の範囲で設定されますが、多くは2年または3年が一般的です。5年という長期の設定は、「症状が安定しており、急激な改善や悪化の見込みが低い」と判断された場合に採用されることがあります。
マトリクス評価と更新期間の関係
障害年金における「マトリクス評価」とは、精神疾患による日常生活への影響度を定量的に表すための基準の一つです。平均が3.0、日常生活が4というのは比較的高い等級に該当しうる水準です。
そのため、医師の診断書内容から「一定の重度が認められるが、状態は安定的」と判断され、更新期間が長く設定された可能性があります。
更新までの期間に働いてもいいのか?
更新までの間に就労すること自体は法律で禁止されているわけではありません。ただし、働いた実績が診断書や年金更新の審査時に影響する可能性があるため注意が必要です。
たとえば、フルタイム勤務や高収入が確認された場合、「労働能力がある」と判断され、支給停止や等級の引き下げになることもあります。一方で、短時間・軽作業での就労であれば「就労訓練の一環」として容認されるケースもあります。
働きながら障害年金を受給するためのポイント
- 就労内容は医師と相談のうえ決定:無理をせず、日常生活への影響がない範囲に抑えることが大切です。
- 就労の事実は正直に申告:審査機関は勤務先や給与情報を把握できるため、虚偽申告はリスクになります。
- 障害者就労支援の枠を活用:就労移行支援事業所やB型作業所など、配慮のある働き方を選ぶのも一つの方法です。
実際に、B型作業所で月1〜2万円の収入を得ながら障害年金を受給している方も多数います。これらは就労能力を否定しない支給継続の事例です。
家族や福祉サービスとの連携も重要
症状が安定していても、急な波があるのが双極性障害の特徴です。就労を開始する場合は、家族や福祉サービスと連携し、無理のない範囲で働ける体制づくりが重要になります。
また、地域によっては年金受給者向けの無料相談窓口や社会保険労務士の無料サポートもあるため、情報を活用して適切な判断を下しましょう。
まとめ
障害基礎年金の5年更新は、重症かつ安定していると判断された結果である可能性が高く、安心して受け取れる目安とも言えます。
就労については「働いてはいけない」わけではありませんが、内容や時間数によっては年金に影響を及ぼすため、医師や専門家と相談の上で慎重に進めるのが望ましいです。
不安がある場合は、地域の年金事務所や障害者就労支援センターに相談し、納得のいく働き方を見つけましょう。
コメント