大学生としてアルバイトをしていると、「どこまで収入を増やしても大丈夫?」という扶養控除の話が気になりますよね。103万円の壁、123万円の壁、さらには160万円という数字まで飛び交い、混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。この記事では、大学生が扶養控除を意識しながら収入を得る際の具体的な目安や注意点をわかりやすく解説します。
「扶養」の種類と3つの壁の違いを知ろう
まずは混乱しやすい「103万円」「123万円」「130万円」「150万円」「160万円」のラインが何を意味しているのかを整理しましょう。扶養には主に2つの側面があります。
- 所得税上の扶養控除:親の税金に影響
- 社会保険上の扶養:親の健康保険に影響
たとえば、「103万円の壁」は所得税がかかるかどうかのラインであり、学生でもここを超えると自分に所得税がかかります。そして、「130万円の壁」は社会保険の扶養が外れる目安となります。
2023年からの変更点「103万円→123万円」の真実
よく「103万円が123万円に引き上げられた」と言われますが、これはあくまでも扶養控除の壁ではなく、配偶者手当(配偶者控除)の企業基準が123万円に引き上げられたという話です。
学生アルバイトには直接影響しないケースが多いため、依然として所得税がかからないラインは「年収103万円以下」と覚えておくのが安心です。
親の扶養から外れない収入の目安
親の扶養に入り続けたい場合は、次の年収の目安を意識しましょう。
- 所得税上の扶養:年収103万円以下なら親の扶養のまま
- 社会保険上の扶養:年収130万円未満(ただし勤務先や保険組合により異なる)
つまり、年収が130万円未満なら、基本的には親の健康保険の扶養にも留まれます。ただし、雇用保険に加入している場合やフルタイム勤務に近い場合は外れる可能性があるため、詳細は勤務先と確認を。
なぜ「160万円まで大丈夫」と言われることがあるのか?
「160万円までならOK」と聞いたことがある方もいるかもしれません。これは、勤労学生控除(最大27万円)を加味した説明です。
たとえば大学生であれば、年収が130万円を超えても、給与所得控除55万円と勤労学生控除27万円、基礎控除48万円を加えれば、最大130+27=157万円までは所得税が非課税になる可能性があります。
ただし、親の扶養に入っているかどうかは別問題なので、注意が必要です。
大学生のよくあるケース別早見表
年収 | 自分の税金 | 親の扶養 | 社会保険 |
---|---|---|---|
~103万円 | かからない | 扶養内 | 扶養内 |
103万~130万円 | かかる場合あり | 親の扶養外れる | 扶養内 |
130万~150万円 | かかる | 親の扶養外れる | 扶養外れる(自分で保険加入) |
~160万円 | 勤労学生控除で非課税の可能性あり | 親の扶養外 | 扶養外 |
まとめ:自分にとっての「壁」を正しく見極めよう
「扶養の壁」と一口に言っても、その意味は複数あります。大学生の場合、「所得税」「社会保険」「親の扶養」の3つの視点を分けて考えることが大切です。自分にとってのベストな収入ラインを知ることで、無駄な税負担や保険料負担を回避しながら効率的に働くことができます。
迷ったときは、国税庁の扶養控除の解説や勤務先の人事担当者にも相談してみるとよいでしょう。
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