家庭の貯金が減ってきたとき、家計を管理する立場の人が「どのようにパートナーに伝えるべきか」というのは多くの家庭で悩ましい問題です。特に、貯金通帳を見せずに「口頭で伝えるだけ」の場面では、正確な額を言うか、それともあえて少なめに伝えるか迷うこともあるでしょう。この記事では、家計管理と夫婦間の信頼のバランスをどう取るべきかを考えます。
貯金額を「正確に伝える」べき理由
家庭のお金の話において、正確な金額を共有することは透明性と信頼関係の基本です。特に貯金が減少しているような場面では、現実を一緒に受け止め、協力して改善に向かうための第一歩になります。
たとえば、「今は残高が70万円になってしまったから、月の支出を5万円減らしたい」と伝えれば、パートナーも具体的な行動に移しやすくなります。情報が共有されていれば、責任感も協力意識も高まります。
あえて少なめに伝えるケースとその背景
一方で、ストレートに伝えることで相手に強い不安を与えてしまうことを懸念して、あえて少なめに伝える人もいます。たとえば「本当は残高60万円だけど、45万円と伝える」などです。
これは次のような心理から来ています。
- 無駄遣いを抑えるために危機感を与えたい
- ショックを和らげるために情報をコントロールしたい
- 金額に対する反応が予測できないため、段階的に伝えたい
ただしこの方法は、一時的には効果があるかもしれませんが、後で実際の金額が発覚したときに信頼を損なうリスクがあります。
信頼関係と家計管理はセットで考える
夫婦間でお金の話がタブーになってしまうと、家計の改善が難しくなります。そこで重要なのは、「情報をどう伝えるか」ではなく「どう共有し、一緒に対応するか」という姿勢です。
たとえば以下のようなステップで話すと、相手も受け入れやすくなります。
- 「最近、貯金がちょっとずつ減ってきてるのが気になっていて…」と切り出す
- 「今の段階で◯◯円くらいなんだけど…」と状況を共有
- 「今後はもう少し支出を見直したいんだけど、協力してくれる?」と提案
このように感情と数字をセットにして話すことで、共感と建設的な行動を引き出しやすくなります。
実際に「正確に伝えた」人の体験談
「子どもが小学校に上がるタイミングで貯金が減っていることを正直に伝えたら、最初は夫も驚いていたけど、そこからは一緒に食費を見直したり、家計簿アプリを使ってくれるようになった。」
「うちはあえて10万円少なめに言ったけど、旅行や外食の計画が次々に入って、結局あとで大げんかに。最初から正直に言えばよかったと後悔してる。」
このように、正確な情報共有が信頼につながる例は少なくありません。
通帳を見せない場合でも誠実な伝え方は可能
通帳やアプリの画面を見せない場合でも、以下のような工夫をすることで信頼感を保ちながら伝えることができます。
- ノートやホワイトボードに支出の推移を簡単にまとめる
- 収入・固定費・変動費の内訳をざっくり共有
- 「このままいくとあと何か月で残高がゼロになる」という目安を示す
数字の裏にある意味を一緒に理解することが、お金の話を“協力のきっかけ”に変えてくれます。
まとめ:家計の現状は正直に、伝え方は丁寧に
貯金の減少をパートナーに伝える際、金額を正確に言うべきかどうかは迷うところですが、基本的には「正確に伝えること」が長期的な信頼と家計管理の鍵です。
ただし伝え方には配慮が必要です。感情的にならず、数字と気持ちをバランスよく伝え、共に対策を考える姿勢を持つことが、夫婦のパートナーシップを深めることにつながります。
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