「定期預金は増えないのに、なぜ銀行はそれで儲かるの?」「それでも定期預金に預ける意味はある?」──そんな疑問を感じたことはありませんか?本記事では、銀行の運用構造、個人の利回り、株式との比較まで、リスクとリターンの観点からわかりやすく解説します。
定期預金の利率はなぜ低い?
日本の定期預金金利は一般的に年0.002%〜0.3%(2024年現在)と非常に低水準です。
理由は、長期にわたる金融緩和政策により、銀行間で貸し借りする金利(政策金利)が低く抑えられているからです。銀行が利益を生み出しにくい環境下では、預金者に還元される利息もわずかになります。
銀行は定期預金でどう儲けているのか?
預かったお金(預金)は、企業向け融資、住宅ローン、国債運用などで再運用されています。これが銀行の収益源です。
たとえば、年0.1%で預金を集めて、住宅ローンに年1.5%で貸し出せば、差分1.4%が銀行の利ざや(粗利)になります。これが「預金は増えないのに、銀行は儲かっている」仕組みです。
株式投資の利回りは高いけど…
たしかに株式は年4〜6%の配当や値上がり益を狙える資産です。しかし、元本保証がなく、市場の変動により大きく損をするリスクも存在します。
実例:2020年のコロナショック時には、株価が1か月で20%以上下落した事例も。定期預金にはこうしたリスクはありません。
定期預金を選ぶ意味はあるのか?
少額でも「絶対に減らしたくないお金」や「数か月〜数年以内に使う予定がある資金」は、定期預金などの安全資産に置くのが基本です。
例:結婚資金、子どもの入学金、住宅頭金など。
また、定期預金は元本1,000万円+利息までが預金保険制度により保護されています。リスクをとれない人にとっては、むしろ重要な選択肢です。
定期預金と投資の役割分担を考える
種類 | 元本保証 | 利回り | おすすめ用途 |
---|---|---|---|
定期預金 | あり(預金保険付き) | 0.002%〜0.3% | 生活防衛資金、短期資金 |
株式投資 | なし | 年3%〜8%(平均) | 長期運用資金、余剰資金 |
両方を使い分けることで、「減らしたくない資金は守り」「増やしたい資金は攻める」というバランスがとれます。
まとめ
・定期預金の利息が少ないのは、日本の低金利政策の影響。
・銀行は預金を再運用して利益を得ているが、個人には安全性という価値が提供されている。
・リターンを求めるなら投資も検討すべきだが、リスクがあるため資産目的による使い分けが大切。
・定期預金は「安全資産」として、資産の一部に組み込むことで真価を発揮します。
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