パートやアルバイトで扶養内に収めたいと考える方にとって、収入の計算方法はとても重要です。特に年末が近づくと「まだ支給されていない給与も収入に含まれるのか?」という疑問が出てきます。この記事では、年収103万円の壁における収入のカウント方法と注意点についてわかりやすく解説します。
103万円の壁とは?
103万円の壁とは、配偶者控除を受けられるかどうかの基準になる金額のことです。パート・アルバイトの方がこの金額以下に収めることで、配偶者(夫など)の所得税が軽減されます。
この金額の判定では「所得税上の年間所得」が対象となるため、「給与所得控除後の金額」が基準になりますが、ざっくり言うと年収103万円以下であれば扶養の範囲内と考えて問題ありません。
給与の支払日と課税対象となる年収の関係
重要なのは、「収入がいつ発生したか」ではなく「給与がいつ支払われたか」で所得税上の課税対象になるという点です。これは、所得税法でいう『現金主義』に基づいており、たとえ働いたのが12月であっても、給与の支払い日が翌年1月ならば、翌年分の収入としてカウントされます。
ご質問のように「11月26日〜12月25日に働いた分の給与が翌年1月10日に支払われる」場合、その給与は翌年の所得として扱われ、今年の103万円の枠には含まれません。
逆に注意が必要なケース
一方で、12月31日までに給与の支払いが行われた場合、その給与はその年の収入として扱われます。つまり、12月に働いて12月中に支給される給与は、今年の収入に含まれるため、年末の支給日には十分に注意が必要です。
たとえば12月20日に年末調整後の特別給与が支給された場合、それによって103万円を超える可能性があるため、計画的な調整が求められます。
収入管理のためのチェックポイント
- 収入は「支払日基準」でカウントされる
- 年末のボーナスや臨時手当の支払い日は要確認
- 12月勤務分の給与が翌年1月払いなら、翌年分の収入
このルールを知っておくだけで、無意識に扶養から外れてしまうリスクを大きく減らすことができます。
具体例:支給日と収入の扱い
以下は、実際のカレンダーと照らし合わせた一例です。
勤務期間 | 支給日 | 収入の対象年 |
---|---|---|
11月26日〜12月25日 | 翌年1月10日 | 翌年分 |
12月1日〜12月31日 | 12月30日 | 当年分 |
支払日がどちらの年に該当するかで扶養判定が変わるため、収入調整の際には給与明細や勤務先の支払いスケジュールを確認しましょう。
まとめ:支払日で扶養判定が決まることを忘れずに
扶養の103万円の範囲内で働くには、給与の「支給日」が決定的に重要です。「働いた月」ではなく「受け取った月」で収入がカウントされるため、年末のスケジュールには特に注意しましょう。
年末に差し掛かる前に、自分の収入合計と給与の支払日を確認し、必要があれば勤務調整などを検討することをおすすめします。賢く扶養内で働くために、制度の理解と計画的な行動がカギです。
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