ネットで中古品を購入しようとした際、詐欺被害に遭うケースが後を絶ちません。特に個人間取引では、相手の素性や信頼性を確認する手段が乏しく、振り込んだ後に連絡が取れなくなるといった事例も多く見られます。この記事では、中古品購入に潜むリスクと、さらに返金対応を装った「二重詐欺」への注意点を具体的に解説します。
よくある中古品詐欺の流れ
中古品詐欺は、オークションサイトやSNS、フリマアプリの外部連絡を通じて行われることが多いです。典型的な手口は次の通りです。
- 格安価格で人気商品を掲載
- 「振込のみ対応」として外部で決済を誘導
- 入金後、商品が届かず、連絡が取れなくなる
たとえば、ギターを格安で販売している投稿に惹かれて銀行振込をしたが、数ヶ月経っても商品が届かず、問い合わせたところ、「PayPayで返金するからアカウントを教えて」と言われるというようなケースが報告されています。
返金対応を装う「二重詐欺」とは
最初の詐欺で被害者の不安を煽り、「返金するからLINEを交換して」と誘導し、画面共有アプリを使ってスマホ画面を覗き見する「二重詐欺」は非常に悪質です。
具体的には、以下のような行為が行われます。
- PayPayに登録するよう指示される
- 画面共有で操作を監視される
- 通帳番号や本人情報を入力させられる
この過程で、被害者のスマホに保存されている情報や操作を第三者が把握・操作することが可能になります。
画面共有や通帳登録は詐欺の可能性大
金融機関や正規サービスが、返金のために画面共有を求めることは絶対にありません。また、通帳情報の入力やカード情報の登録も、電話やチャットで誘導される場合は詐欺の可能性が非常に高いです。
特に「AnyDesk」や「TeamViewer」などのリモート操作アプリを案内されたら、その時点で即座に通話を切りましょう。
実際の被害例:騙されかけたが残高ゼロで難を逃れた
あるユーザーは、中古のギターを購入しようとして3万円を振り込んだ後、商品が届かないことに不審を抱きました。返金対応を申し出た相手からLINE交換と画面共有を求められ、PayPayと口座情報を抜かれました。
しかし、PayPayと銀行口座に300円しか入っていなかったため、金銭被害は免れたとのこと。このように「残高がなかったから助かった」というのは極めて稀な幸運です。
詐欺被害を防ぐためにできること
被害を未然に防ぐためには、以下の対策が有効です。
- 不自然な値下げには警戒する
- 決済はフリマアプリ内やエスクロー決済を活用する
- 画面共有やLINE交換は絶対に避ける
- 不審に思ったら一人で判断せず警察か金融庁相談窓口へ連絡
また、PayPayや銀行に「アカウント情報が漏れた可能性がある」と連絡すれば、利用停止措置や再発行手続きが可能です。
まとめ:安易な取引と油断が詐欺を招く
中古品の個人間取引には一定のリスクが伴います。加えて、返金を装った二重詐欺の手口は年々巧妙になっており、少しでも違和感を覚えたら即座に連絡を絶つ勇気が必要です。
トラブルが発生した場合は、自力で解決しようとせず、警察のサイバー犯罪相談窓口や金融機関への相談を検討しましょう。
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