高額療養費制度「多数回該当」はいつリセットされる?13か月目以降の自己負担額の仕組みを解説

社会保険

高額療養費制度は、医療費が一定額を超えた際に自己負担限度額を設けることで、家計の負担を軽減する制度です。特に「多数回該当」に該当すれば、自己負担額がさらに軽減されますが、その適用は永続ではありません。本記事では、13か月目以降に多数回該当がどうなるか、リセットのタイミングと注意点をわかりやすく解説します。

高額療養費制度の基本と「多数回該当」とは

高額療養費制度では、1か月あたりの医療費が自己負担限度額を超えた場合、超過分が払い戻されます。この自己負担限度額は所得区分により異なります。

さらに、直近12か月で3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目から「多数回該当」となり、限度額が約93,000円(所得区分により変動)に引き下げられます。

多数回該当のカウントは12か月単位で管理

多数回該当のカウントは、支給を受けた「月」を基準に過去12か月のうちに3回該当しているかで判定されます。連続して12か月間、毎月高額療養費の対象であれば、4回目以降はすべて多数回該当になります。

しかし、13か月目に突入した際に、1か月目の分はカウントから除外されるため、12か月のうちに高額療養費該当月が再び3回未満となれば、多数回該当はリセットされます。

実例:13か月目に多数回該当から外れるパターン

例として、以下のような通院歴がある場合。

期間 区分 限度額
2024年5月~7月 通常の高額療養費 167,400円
2024年8月~2025年4月 多数回該当 93,000円
2025年5月

この場合、2024年5月の分がカウントから外れるため、2025年5月時点では過去12か月(2024年6月〜2025年5月)で3回以上該当しているかどうかが再評価されます。

つまり、多数回該当がリセットされる可能性があるということです。

多数回該当の継続条件と注意点

「連続で多数回該当になっているからずっと93,000円で済む」と思ってしまいがちですが、実際は直近12か月における該当回数を毎月見直して判定される仕組みです。

したがって、たとえ13か月以上継続的に高額医療費を支払っていたとしても、1か月でも自己負担が限度額未満になると、リセットされるリスクがあるため注意が必要です。

確認方法と手続きのポイント

多数回該当の判定や、自己負担額の計算は加入している健康保険(協会けんぽ・国保・組合健保など)が行います。疑問があれば、必ず保険者に確認するようにしましょう。

また、高額療養費の限度額適用認定証の有効期限にも注意し、定期的に更新手続きを行うことが大切です。

まとめ:多数回該当は自動永続ではない

高額療養費制度における「多数回該当」は、過去12か月の該当回数によって毎月再判定されるため、13か月目以降にはリセットされる可能性があります。

連続適用されるとは限らないため、毎月の医療費と過去の支給状況をしっかり把握し、保険者に確認を取ることが安心への第一歩です。

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