これまでCDでやり取りしていた「被保険者報酬月額算定基礎届(いわゆる算定基礎届)」も、近年は電子申請が主流となり、gBizIDやe-Govを利用するケースが増えています。特に初めて対応する担当者にとっては、操作方法や流れが不明なままだと戸惑うことも多いでしょう。
算定基礎届とは?提出の目的と概要
算定基礎届は、年金保険料を計算するための「標準報酬月額」を決定する手続きで、原則として毎年7月10日までに提出が必要です。
これは、4月・5月・6月に支払われた賃金の平均額を基に、9月からの保険料額を決定する重要な手続きです。
従来の提出方法から電子申請への変更点
以前はCDや紙媒体での提出が可能でしたが、現在は原則として電子申請へと移行が進められています。
特に小規模事業所でも、gBizIDとe-Govの登録により、インターネット上で提出が可能となっています。
CDによる過去データの提供は廃止され、前年の情報を引き継いだファイルが提供される仕組みも終了しています。そのため、初回は手入力での作成が必要になるケースがほとんどです。
電子申請の準備:必要な環境と登録
電子申請には以下の準備が必要です。
- gBizIDプライムの取得(無料)
- e-Govアカウントの登録
- PC環境(Windows推奨)とインストール型の申請ソフト(e-Gov電子申請アプリ)
gBizIDは申請から発行まで数日かかる場合があるため、早めの準備が重要です。
提出の流れ:e-Govを使った実際の操作手順
提出の大まかな流れは以下の通りです。
- e-Gov電子申請アプリを起動
- 帳票様式から「算定基礎届」を選択
- 各被保険者の氏名・生年月日・報酬額などを入力
- 電子署名を行い、gBizIDを通じて申請
- 受付通知・結果通知を確認
昨年分のデータは自動では引き継がれないため、社員情報を最初から入力する必要があります。登録が一度完了すれば、次年度以降はCSV取込や過去データコピー機能の活用が可能になります。
年金事務所からのお知らせやサポート体制
毎年6月頃になると、日本年金機構から「算定基礎届の提出案内」が事業所宛に郵送されます。そこには提出期限や留意点、電子申請に関する情報が記載されています。
また、地域の年金事務所では説明会や電話相談も実施されており、初心者にも対応したサポート体制が整えられています。e-Govサイトにも操作マニュアルが用意されていますので、初めての方でも安心です。
実例:初めて算定基礎届を電子申請した小規模事業所のケース
たとえば、従業員5名の企業Aでは、2024年から初めて電子申請に切り替えました。gBizIDの発行に5営業日、e-Govの操作に慣れるまでに1日ほどかかりましたが、マニュアルに沿って作業することで無事に期限内に提出完了できました。
データの手入力が必要な点は手間がかかりましたが、次年度以降はデータを活用してスムーズに行えると期待されています。
まとめ:算定基礎届の電子申請は事前準備がカギ
被保険者報酬月額算定基礎届の電子申請は、初回は操作や入力に戸惑うこともありますが、正しい準備と手順を踏めば誰でも対応可能です。
提出案内の確認とgBizID・e-Govの早期登録を行い、焦らず進めていくことが成功のポイントです。年金事務所や公式マニュアルを活用しながら、安心して電子申請に臨みましょう。
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