体調不良や持病が理由で仕事を辞めざるを得ないとき、「失業保険はどうなるのか?」と不安になる方も多いと思います。特にB型肝炎など、日常生活に支障が出る病気での退職では、受給条件が一般のケースと異なる場合があります。この記事では、病気による退職と失業保険(雇用保険)の関係をわかりやすく解説します。
退職理由が「自己都合」でも待機期間が免除されることがある
通常、自己都合退職の場合、失業給付の受給には「7日間の待機期間」に加え、「2か月(または3か月)の給付制限期間」が設けられています。しかし、病気が理由で退職した場合は、この制限が免除されることがあります。
そのためには「正当な理由がある自己都合退職」として認められる必要があります。ポイントは、医師による診断書などで退職理由が病気であることを客観的に証明できるかどうかです。
診断書の提出がカギになる
診断書の提出は非常に重要です。ハローワークで失業給付の申請をする際に、退職が健康上の理由によるものであることを示す「医師の診断書」や「健康診断の結果」などを提出すれば、給付制限がかからず、すぐに受給対象となる可能性があります。
また、退職証明書の「離職理由」欄にも病気による退職と記載されていると、よりスムーズに処理されます。
受給の流れと手続き
手続きは基本的に以下の通りです。
- 退職後、7日間の待機期間
- 病気による正当な自己都合退職として認められた場合、給付制限なし
- 診断書の提出が必要(退職直後のものが望ましい)
- ハローワークにて「就労可能」と判断されてから受給開始
ただし、現在も通院や治療中で「すぐに働ける状態でない」と判断されると、失業給付の受給は一時的に停止され、「傷病手当金」や「求職活動延期」の対象となることもあります。
病気が原因で「すぐ働けない」場合の対処法
B型肝炎などでしばらく療養が必要な場合は、失業手当をすぐに受け取ることができないことがあります。その際は、「求職の申込み」だけは済ませておき、「受給期間延長」の手続きをとっておくと安心です。最長で4年間延長できます。
また、退職前に健康保険の傷病手当金を受給していた場合は、そちらとの併用可否や切替タイミングについても確認が必要です。
実際のケース:B型肝炎で退職した方の体験
ある40代の女性は、B型肝炎の体調悪化で正社員の仕事を退職。医師の診断書と退職証明書に「健康上の理由による退職」と記載してもらい、給付制限なしで失業保険の受給が開始されました。通院しながら就職活動も継続し、3ヶ月後にはパート勤務が決まりました。
まとめ:体調不良による退職でも諦めずに相談を
病気によって退職した場合でも、診断書や離職証明の記載を整えれば、給付制限なしで失業保険を受け取れる可能性が高いです。重要なのは、退職理由をきちんと証明できる書類をそろえること。
迷ったら、ハローワークや社会保険労務士に早めに相談することをおすすめします。体調と生活を守る第一歩として、制度を上手に活用していきましょう。
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