年金制度の中で「夫の扶養内で保険料を払っていない人」と「経済的事情などで全額免除を受けている人」とでは、将来の年金額に違いが出るのか?と気になる方は多いでしょう。本記事では、制度の仕組みと将来の年金額への影響をわかりやすく整理します。
第3号被保険者と免除制度の違いとは?
まず、夫の扶養に入っている人(専業主婦など)は「第3号被保険者」として国民年金に加入しています。保険料の支払いは不要ですが、保険料を納めたものとしてカウントされます。
一方、保険料の「全額免除」は、本人が第1号被保険者で経済的な事情などにより免除申請し、認められた場合の制度です。免除されている間は保険料を払っていませんが、納付したものとしての評価は下がります。
受け取れる年金額の差はどのくらい?
第3号被保険者期間中は、保険料を納付した期間として満額カウントされるため、年金額への影響はありません。
それに対して、全額免除期間中は年金額の算出において、1/2の納付扱いになります。つまり、同じ期間でも将来もらえる年金額は少なくなります。
【具体例】10年間でどのくらい差が出るか
例えば、10年間を「扶養(第3号)」として過ごした場合は10年分まるまる満額でカウントされます(現在の制度で約200,000円分の年金支給額増加)。
これに対して、10年間が全額免除であった場合は、その半分=5年分相当しか年金額に反映されません(約100,000円分の増加にとどまる)。
追納すれば将来の年金を増やすことも可能
全額免除は将来の受給額が減ってしまいますが、後から「追納」することで年金額を満額に近づけることも可能です。
追納には期限があります(原則10年以内)。経済的に余裕ができたタイミングでの追納を検討するのも将来の備えとして有効です。
加入期間には含まれるが…受給資格への影響は?
全額免除も第3号被保険者も、ともに「保険料納付済期間または納付済みとみなす期間」としてカウントされます。したがって、老齢基礎年金の受給資格(10年)には問題ありません。
ただし、金額面では違いが出るため、長期にわたる免除期間がある場合は注意が必要です。
まとめ:金額に差は出るが、どちらも制度上の救済措置
第3号被保険者と全額免除者の違いは、将来もらえる年金額に直接影響します。
- 第3号被保険者:保険料免除でも満額反映
- 全額免除者:将来の年金額は1/2で反映
制度を正しく理解し、可能であれば追納などの選択肢も視野に入れて、将来に備えることが重要です。
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