生命保険において、給付金の請求がスムーズにいかないケースは決して珍しくありません。特に、保険が一度失効し、復活後すぐに請求された場合には、保険会社側が慎重に詮議(調査)することがあります。本記事では、復活後の請求がなぜ問題視されるのか、その背景や対応のポイントを解説します。
保険の失効と復活の仕組みとは
生命保険は、一定期間保険料が支払われないと失効します。しかし、多くの保険会社では「復活制度」があり、一定期間内に健康状態の告知や保険料の支払いを済ませることで、契約を元に戻すことが可能です。
ただし、復活後は新たな契約とみなされるわけではないものの、給付請求に対しては厳格な審査が行われることがあります。
詮議(せんぎ)とは何か?給付金支払い前の調査プロセス
「詮議」とは、保険会社が給付金支払いにあたり、契約内容・復活手続き・告知義務の履行状況・診断書の内容などを総合的に確認することを指します。
特に、保険復活直後の請求は「契約の正当性」「既往症との関係」などを重点的に調査されやすいため、通常よりも時間がかかる傾向があります。
なぜ復活直後の請求に時間がかかるのか
・契約復活時の健康状態が手術・入院に影響していないかの確認
・復活時に告知義務違反がなかったかの確認
・復活申請から請求までの期間が短いと、意図的な請求リスクを疑われやすい
これらの理由から、詮議には1ヶ月以上かかることもあり、場合によっては追加の診断書や説明を求められるケースもあります。
給付金が支払われる可能性とその条件
復活手続きが正式に認められていて、その時点での健康告知に虚偽がなければ、基本的には給付金は支払われる可能性が高いです。
ただし、保険会社が「復活前に発症していた」と判断した場合や、診療記録から過去の病歴が疑われる場合には、給付金が支払われないこともあります。
詮議中に家族ができる対応と注意点
・担当者に定期的に進捗確認をする
・必要があれば追加書類を迅速に提出する
・詮議の内容について不明な点があれば問い合わせて明確化する
また、万が一給付が拒否された場合には、理由を明示してもらい、納得できなければ弁護士や保険相談窓口に相談するのも有効です。
実例:復活後3週間で入院、給付が認められたケース
ある60代の男性は、保険料未払いで失効後に再開手続きを行い、3週間後に急性胆嚢炎で入院しました。保険会社は詳細な審査を行いましたが、復活時点での告知に問題がなく、発症時点が契約復活後であると確認できたため、無事に給付金が支払われたという例があります。
まとめ:給付金の支払いはケースバイケース。丁寧な対応が鍵
・保険の復活後すぐの請求は詮議対象となるが、給付金が支払われないとは限らない
・告知義務を正しく果たしていれば、支払いの可能性は十分ある
・審査には時間がかかるが、焦らず対応し、疑問があれば丁寧に確認しよう
生命保険の給付は、万一の安心を支える大切な制度です。手続きや対応をしっかり行い、保険会社と良好な関係を保つことが、最終的な給付につながります。
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