企業型DCは本当に会社負担?給料天引きの実態と確認すべきポイント

年金

近年、多くの企業が退職後の資産形成のために企業型確定拠出年金(企業型DC)を導入しています。しかし、その内容をよく見ると「会社が掛金を出している」と説明されながら、実際は従業員の給与から差し引かれているケースもあるようです。本記事では、企業型DCの基本と、給料天引きの実態、そして確認すべきポイントについて解説します。

企業型確定拠出年金(企業型DC)とは?

企業型DCとは、企業が従業員のために掛金を拠出し、そのお金を従業員が自ら運用して老後資金を準備する制度です。運用成績に応じて将来受け取る金額が変動します。

企業型DCのメリットは、掛金が全額非課税であることや、運用益も非課税であること、そして受取時の税制優遇がある点です。従業員は金融機関を通じて運用商品(投資信託・定期預金など)を選ぶことができます。

「給料から天引きされている」ケースとは?

一部の企業では、表向きは「企業型DCを導入しています」としながら、実際は掛金が従業員の給与から天引きされる「選択制DC(選択制確定拠出年金)」という仕組みを導入しています。

この仕組みでは、従業員が本来もらえる給与の一部を「DC掛金として拠出するか」「そのまま受け取るか」を選択します。つまり企業の実質的な負担はゼロで、給与構成の一部を見直す形で運用されているのです。

選択制DCのメリットと注意点

選択制DCのメリットは、掛金を拠出することでその金額が非課税扱いになる点です。これにより社会保険料や所得税の負担が軽減される可能性があります。

しかし、注意点としては、「本来の給与が減る」ことでボーナスや退職金の算出に影響が出る場合もある点です。また、会社の制度設計次第で、制度の透明性が不足しているケースもあります。

制度が企業型DCか選択制DCかを見分けるには

  • 就業規則や社内の年金規程を確認
  • 給与明細に「DC拠出」などの項目があるかチェック
  • 人事・総務担当者に「企業が拠出しているのか」明確に質問する

給与の一部をDCに振り替えているだけなのか、それとも企業が別途負担しているのかで、制度の性質は大きく異なります。

実際にあった事例

ある企業では、求人では「企業型DCあり」と記載されていたものの、実際には選択制DCで、給与を振り替えた場合のみ加入可能というものでした。しかも制度の説明が不十分で、多くの社員が「会社が負担してくれている」と誤認していたというケースも報告されています。

このように、用語や仕組みの違いが分かりにくいため、しっかりと制度設計を確認することが重要です。

まとめ:名称に惑わされず、制度の中身を確認しよう

「企業型DC」という名称だけでは、必ずしも企業が掛金を出しているとは限りません。選択制DCを採用している企業も多く、実態は給与天引きというケースもあります。

自身の給与や老後資金に関わる重要な制度ですので、社内の制度内容を丁寧に確認し、分からない点は人事部などに遠慮なく問い合わせることをおすすめします。

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