年金制度は非常に複雑で、世代ごとに開始年齢や加減率の条件が異なります。特に1966年(昭和41年)生まれの方は、ちょうど制度の過渡期に当たる世代のひとつです。本記事では、1966年11月生まれの男性をモデルケースとして、受給開始年齢や繰上げ・繰下げによる影響を詳しく解説します。
年金の受給開始年齢:1966年11月生まれ男性の場合
1966年(昭和41年)11月生まれの男性は、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金(厚生年金)の両方を受給できます。老齢基礎年金の支給開始年齢は原則として65歳です。また、厚生年金についても段階的に65歳支給へ移行され、現在では65歳からの受給が標準
したがって、1966年11月生まれの方が通常受給する場合、最短で受給開始となるのは2031年11月(65歳の誕生日)
繰上げ受給:60歳からでも受け取れるがデメリットも
老齢基礎年金と厚生年金は最短で60歳から繰上げ受給が可能
2022年4月以降の制度では、繰上げによる減額率は月あたり0.4%0.4% × 60ヶ月 = 24%の減額
これは終生にわたって減額された額で支給されるため、繰上げを選ぶかどうかは慎重に検討する必要があります。
繰下げ受給:70歳まで遅らせると大幅アップ
一方、繰下げ受給を選択することで年金額を増やすことも可能です。繰下げの加算率は月あたり0.7%
たとえば65歳から70歳まで5年間(60ヶ月)繰下げた場合、0.7% × 60ヶ月 = 42%の増額
年金の受給戦略:何歳で受け取るのが得か?
受給開始年齢を決めるには、自分の健康状態、ライフプラン、貯蓄状況、家族構成などを考慮する必要があります。以下は一つの考え方です。
- 早期退職や収入がない場合:60歳で繰上げ受給して生活の足しにする
- 働き続ける・長寿家系の場合:70歳まで繰下げて年金額を増やす
また、繰下げ受給は年金の支給開始を1ヶ月単位で調整できるため、「66歳3ヶ月から受給」など柔軟な対応も可能です。
実例で比較:65歳・60歳・70歳で受給した場合のイメージ
たとえば年金の受給額が年間100万円だった場合、各年齢ごとの年額は以下のようになります。
受給開始年齢 | 年金額(年間) | 増減率 |
---|---|---|
60歳 | 76万円 | -24% |
65歳 | 100万円 | ±0% |
70歳 | 142万円 | +42% |
このように、繰上げ・繰下げによって年金額は大きく変動するため、生涯受取総額をよく試算してから決定しましょう。
まとめ:受給開始は65歳、戦略次第で調整も可能
1966年11月生まれの男性が年金を通常受給できるのは65歳からです。早く受け取りたい場合は60歳から、逆に多く受け取りたい場合は70歳まで繰下げることもできます。
減額率・加算率を考慮したうえで、自身のライフスタイルや健康状態、経済状況に合った受給戦略を立てることが大切です。必要に応じて年金事務所に相談することもおすすめします。
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