銀行振込を利用した詐欺被害が年々増加しています。特に個人間取引やSNS、フリマアプリ経由での送金では、口座名義と実在性を確認せずに送金してしまうケースが多く、詐欺被害に巻き込まれるリスクがあります。今回は、PayPay銀行からあおぞら銀行へ誤送金・詐欺送金をしてしまった場合に取るべき対処法と「組戻依頼」の仕組みについてわかりやすく解説します。
組戻依頼とは?間違って送金した際の救済制度
「組戻(くみもどし)依頼」とは、振込が完了したあとに、何らかの事情で振込金額を取り戻したい場合に利用できる制度です。たとえば、誤送金・相手の口座が使えない・詐欺の疑いがある、などの場合に適用できます。
組戻依頼を行うには、送金元の銀行(今回はPayPay銀行)に連絡して手続きを進めます。その後、送金先銀行(今回はあおぞら銀行)を通じて、相手側に「返金してよいか」の同意を確認します。
組戻依頼をしても返金されないケース
組戻依頼はあくまで相手の同意が必要な手続きです。そのため、相手が明確に拒否する、あるいは応答しない場合は、返金はされない可能性があります。
詐欺のように意図的にお金をだまし取ろうとしている場合、当然ながら返金に応じないことが多く、その場合は民事・刑事手続きに進む必要があります。
相手が「届いていない」と言っている場合の考え方
送金が完了しているにもかかわらず、相手が「振込は届いていない」と主張するのは、不自然な点があります。金融機関のシステムで即時処理されている場合、口座残高に即反映されるのが基本です。
このような主張がある場合、詐欺の可能性が高いため、組戻依頼に加えて、最寄りの警察署に被害届を提出することを強くおすすめします。
PayPay銀行での組戻依頼の手順
- カスタマーセンターへ連絡(チャットまたは電話)
- 「組戻依頼をしたい」と伝える
- 振込日時、金額、振込先口座などを確認される
- 手数料(通常880円前後)が必要
- 処理後、送金先銀行から返金可否の回答を待つ
※手続きに数日〜数週間かかることもあります。
返金されるかどうかの判断ポイント
以下の条件がそろっていれば、返金される可能性が高まります。
- 相手が明確に詐欺と認めていない
- 送金直後で相手がまだ出金していない
- 相手が本人確認済みの口座を使っている
反対に、送金から時間が経っており出金済みの場合は、口座残高がなく返金できないことがあります。
今後の対策と再発防止策
一度でも送金詐欺に遭うと心理的なダメージが大きいため、今後は以下の点に注意しましょう。
- 初対面の個人への送金は原則しない
- 振込前に相手の情報(口座名義や連絡先)を必ず確認する
- 送金前に詐欺の事例を調べる
また、もし怪しいと感じたら、銀行に相談する前にネットで同様の詐欺報告がないか調べるのも有効です。
まとめ:迅速な組戻依頼と警察相談がカギ
詐欺と気づいたら、すぐに組戻依頼を行い、相手の出金を防ぐことが第一です。さらに、被害届を提出することで、金融機関も対応を強化してくれる可能性があります。感情的にならず、冷静かつ迅速に行動しましょう。
一方で、組戻は相手の協力が前提であるため、確実に返金されるとは限りません。返金が難しい場合に備えて、警察への被害届や弁護士への相談なども並行して検討することをおすすめします。
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