副業禁止の会社に勤務しながら、休職期間中に副業収入が20万円を超えた場合、年末調整だけで済むのか、それとも確定申告が必要なのか不安に思う方は多いでしょう。本記事では、転職・休職・副業という複雑なケースでの税務処理について、制度の仕組みから対応方法まで詳しく解説します。
副業収入が20万円を超えたら確定申告は原則必要
まず大前提として、給与以外の所得が20万円を超えると、原則として確定申告が必要になります。たとえ副業が一時的なものであっても、金額基準を超える以上は税務署に対する申告義務が発生します。
本件では「休職中に副業収入が20万円を超えた」ことから、確定申告は必須といえるでしょう。
年末調整は転職先で実施可能だが…
通常、転職後の会社では「年末調整」が行われますが、それは主に給与所得に関する処理に限られます。副業などの雑所得は会社の年末調整ではカバーされないため、自分で確定申告を行う必要があります。
副業を会社に申告したかどうかに関わらず、年末調整は可能です。ただし、確定申告時に会社の給与所得も含めて全体を計算し直すため、結果的に所得税の過不足が発生する場合があります。
副業禁止の会社に申告する必要はあるのか?
税務上は、副業の有無を会社に申告する義務はありません。しかし就業規則で副業が禁止されている場合、倫理的・契約的に報告が必要とされることもあります。
ただし、税務申告においては「所得隠し」にならないよう、きちんと確定申告を行うことが重要です。なお、副業の住民税が会社にバレるのを防ぎたい場合は、住民税の申告時に「普通徴収(自分で納付)」を選択しましょう。
確定申告の方法と必要書類
確定申告には以下の書類が必要となります。
- 源泉徴収票(前職・現職分)
- 副業の収入を証明する書類(請求書控え、報酬明細など)
- 経費がある場合はその領収書
- マイナンバー関連書類(通知カードやカードのコピー)
国税庁のe-Taxや、税務署窓口で提出が可能です。申告期間は通常、翌年の2月中旬から3月中旬です。
副業の収入を正確に記録しておくことが重要
休職中であっても、「開業届」を出していなくても、「継続性や反復性」があれば事業所得や雑所得として課税対象になります。収入の入金日や金額、支払い先などの記録をきちんと残しておくと申告がスムーズです。
帳簿やExcelで収支をまとめるだけでも十分な証拠となります。青色申告でなければ帳簿の形式は自由ですが、できる限り明確にしておきましょう。
まとめ:確定申告は必須、会社申告はケースバイケース
今回のように休職中に副業を行って20万円を超える収入を得た場合は、たとえ副業禁止の会社に転職したとしても、税務的には確定申告を行う必要があります。年末調整は転職先で受けられますが、それとは別に副業収入分を含めて申告しましょう。
副業の事実を会社に申告するかどうかは就業規則の判断によりますが、税務上の義務は確定申告に集中しています。無申告によるペナルティを避けるためにも、正確に対応しておきましょう。
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