社会保険料の加入に関する条件は複雑で、特に収入や勤務時間に関連する「壁」が存在しています。例えば、年収が106万円を超えると社会保険に加入することが必要になると言われていますが、実際のところ、どのような条件が適用されるのでしょうか。今回は、質問者が挙げた具体的なケースをもとに、社会保険の加入条件について詳しく解説します。
1. 106万円の壁の撤廃と新しい加入基準
2022年4月から、社会保険に関する基準が変更され、これまでの「106万円の壁」が撤廃されました。現在、社会保険への加入義務は次の2つの条件が両方とも該当する場合に発生します。
- ① 週所定20時間以上(ひと月に換算すると86.7時間以上)
- ② 賃金がひと月88,000円以上
これらの基準を満たすと、社会保険への加入が義務付けられます。質問者が挙げたように、時給1,200円で85時間働いても、賃金は102,000円で88,000円を超えているものの、所定労働時間が週20時間以上ではないため、社会保険に加入しなくて済むケースとなります。
2. 社会保険の加入条件が満たされる月について
社会保険に加入するかどうかは、月単位での基準に基づいて判断されます。つまり、月ごとに所定の時間と賃金が基準を満たす場合、その月には社会保険料が控除されることになります。例えば、1ヶ月の勤務時間が86.7時間を超え、かつ賃金が88,000円を超える月があった場合、その月から社会保険料が控除されます。
3. 年収と社会保険加入条件の関係
年収が130万円、160万円などの「社会保険の壁」も存在しますが、これらは社会保険の加入に必ずしも直結するわけではありません。社会保険への加入は基本的に勤務時間と賃金によって判断されます。したがって、年収が130万円を超えていても、勤務時間が基準に満たない場合は、社会保険に加入しないことがあります。
4. 会社のルールと国の基準
企業によっては、社会保険に加入する条件を厳しく定めている場合もあります。しかし、最終的に社会保険の加入に関する基準は国の法律に従う必要があり、企業が独自にルールを設けている場合でも、その基準に従って手続きが行われます。質問者が述べているように、1回でも所定条件を満たす月があった場合、会社としてはその月から社会保険加入が必要となる場合があります。
5. まとめ
社会保険に加入する条件は、勤務時間と賃金の基準が両方満たされることで決まります。月ごとの基準に従って判断されるため、勤務時間や賃金が変動する場合は、毎月確認することが重要です。なお、会社の規定が国の基準に従っているかどうかも確認することが、今後の手続きに役立ちます。


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