学生時代に国民年金の支払いを怠ってしまい、そのまま放置してしまったというケースは決して珍しくありません。特に20歳から社会人になるまでの期間に未納がある方は、将来的な年金受給額にどのような影響があるのか気になるところでしょう。本記事では、20歳から22歳までの未納期間が老後にどの程度影響するのかを具体的に解説します。
国民年金の仕組みと受給資格の基本
日本の公的年金制度は、20歳から60歳までの40年間(480か月)の保険料納付を基本としています。満額の老齢基礎年金(2024年度:約794,500円/年)を受給するには、この480か月分すべてを納めている必要があります。
つまり、2年(24か月)未納であれば、約456か月分の納付となり、その分だけ年金額が減額されることになります。
2年間の未納が年金に与える影響
年金は納付月数に応じて按分されるため、2年分(24か月)の未納がある場合、年金額の減額は以下の通りです。
例)2024年度の満額:794,500円
⇒ 456/480 × 794,500円 ≒ 755,063円
この場合、年額で約39,437円の減額となります。65歳から90歳まで25年間受け取るとすれば、総額で約98万円の差になります。
学生納付特例制度を利用していれば話は別
実は20歳以上の学生には「学生納付特例制度」があります。これを利用していれば、たとえ保険料を支払っていなくても、受給資格期間としてカウントされ、将来の年金受給自体は可能です。
ただし、この制度を利用して「追納」しなかった場合は、年金額には反映されません。10年以内であれば過去の未納分を追納することもできます。
会社員になってからの厚生年金はカバーになるか?
22歳から厚生年金に加入している場合、厚生年金は老齢基礎年金に加えて「老齢厚生年金」が上乗せされます。したがって、国民年金部分が多少減額されたとしても、トータルで見ると一定額の年金は確保されるため、大きな心配はいらないケースもあります。
ただし、「基礎年金部分が満額でない=将来の最低保障が減る」ため、注意は必要です。
未納分の対処法:追納できるなら検討しよう
過去10年以内の未納分は「追納(あとから納付)」が可能です。2年分を追納すれば、将来的な年金額を満額に近づけることができます。ただし、追納には加算金がかかる場合があるため、年金事務所での相談がおすすめです。
追納が難しい場合でも、厚生年金に長期加入していることで、基礎年金減額分をある程度補える可能性があります。
まとめ:2年間の未納は小さいようで将来に響く可能性も
20歳から22歳までの国民年金未納は、年額で約4万円前後、25年間の受給では約100万円近くの差となる可能性があります。ただし、厚生年金に加入していればトータルの年金額にはそれほど深刻な影響はないこともあります。
未納が気になる方は、日本年金機構の「ねんきんネット」や最寄りの年金事務所での相談を活用して、自分の年金見込み額を早めに把握することが大切です。
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