転職や退職、社会保険からの脱退後に「国民健康保険への切り替え」を忘れていたという方は少なくありません。特に長期間未加入のままだと、後から高額な保険料の請求が来るケースもあります。今回は、国民健康保険の切り替えを約2年半放置した場合の影響や、実際にどれくらいの請求があるのか、対応策について具体例とともに解説します。
国民健康保険の切り替えをしなかった場合の扱い
国民健康保険は加入義務のある保険です。勤務先の健康保険を脱退した日から14日以内に市区町村の役所で手続きを行う必要があります。未手続きでも住民票がある限り「遡って加入」とみなされ、未納期間の保険料をさかのぼって請求されることになります。
例えば退職してそのまま保険未加入の状態が2年半あった場合、原則としてその期間分すべての国民健康保険料が後日請求されます。
未加入期間が長期の場合、請求額はどのくらい?
国民健康保険料は所得によって異なりますが、たとえば年収150万円程度の単身者であっても、年間で約15〜20万円程度になることが多いです。2年半となると、合計で40〜50万円以上請求されることもあります。
【実例】東京都内在住のAさんは、失業後の2年半、保険手続きをしておらず、役所から約52万円の保険料請求を受けました。申請後、分割納付の相談をして月8,000円ずつ支払い中とのことです。
社保との重複がある場合は軽減される?
「社会保険に入っていた期間」と「国保未加入期間」が重なる場合、その期間は重複して保険料を払う必要はありません。例えば、小規模事業所で社会保険に加入していた時期がある場合、その分は除外申請が可能です。
役所での手続きの際には、社会保険の資格喪失証明書や在職証明書などを持参することで、請求額の軽減や免除が受けられる場合があります。
未納状態でも医療を受けていた場合のリスク
健康保険証がない状態で医療を受けた場合は、全額自己負担になります。ただし、遡って国保加入手続きを行えば、その期間の保険証が発行され、一定の条件を満たすと医療費の還付を受けられる可能性があります。
ただし、還付申請にはレシート・診療明細・医療機関名などが必要になるため、受診時の資料は必ず保管しておきましょう。
放置しないことが最大の防衛策
2年以上未加入の状態があっても、役所へ出向けば適切な対処が可能です。まずは正直に状況を伝え、「納付相談」や「減免申請」を行いましょう。特に低所得や無職状態であれば、保険料の軽減措置が適用されるケースもあります。
また、役所によっては「滞納者向けの納付支援制度」もあり、一括請求ではなく分割での対応が柔軟に認められることも多いです。
まとめ
・国保の切り替えを忘れると遡って請求される
・2年半で数十万円単位の請求となることもある
・社会保険と重複していた期間は除外可能
・医療費還付や納付相談など救済措置もある
国民健康保険の未加入期間がある場合は、放置せずにまずは市区町村の役所に相談を。状況に応じた対応策が用意されています。
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