「老後2000万円問題」が話題になったことは記憶に新しいですが、2025年現在、60代の独身者が持ち家で健康的に暮らすためには実際にどれほどの生活費が必要なのでしょうか?本記事では、保険料や税金を除いた日常生活費に焦点を当て、現実的な貯蓄の目安を具体的に解説します。
前提条件と対象となる生活スタイル
本記事では以下の条件をもとに想定します。
- 年齢:60代前半の健康な独身者
- 住居:持ち家あり(住宅ローンなし)
- 趣味:高額ではない(読書・散歩・たまの外食)
- 支出:税金・保険料などを除いた「生活に関わる出費」のみ
上記を満たす方が、精神的・経済的にゆとりある生活を送るための年間支出をベースに試算していきます。
2025年現在の生活費平均と目安金額
総務省の家計調査などを参考にすると、60代単身世帯の毎月の生活費は平均で約13万円〜16万円。税金や医療費を除いた「ベーシックな生活」に限定すれば、年間およそ160万円〜200万円が目安となります。
例)毎月15万円の生活費 × 12ヶ月 = 年間180万円
読書や娯楽、たまの交際費を加味すると、さらに+20〜30万円ほどが妥当です。
生活費の内訳:月15万円の場合
項目 | 月額 | 内容例 |
---|---|---|
食費 | 35,000円 | 自炊中心+週1〜2の外食 |
日用品 | 5,000円 | トイレットペーパーや洗剤など |
水道光熱費 | 10,000円 | 電気・ガス・水道代 |
通信費 | 6,000円 | スマホ・ネット |
交際・娯楽 | 20,000円 | カフェや映画、本代など |
雑費・予備 | 24,000円 | 衣類・家電・不定期支出 |
では、いくら貯蓄があれば安心か?
65歳で退職し、85歳までの20年間を想定すると。
- 年間180万円 × 20年 = 3,600万円
ただし、年金(仮に月10万円とする)を受給するなら。
- 年金年間120万円 × 20年 = 2,400万円
- 必要な差額:3,600万円 − 2,400万円 = 1,200万円
つまり、持ち家があり、生活費を年間180万円に抑えられるなら、年金を前提とした最低限の必要貯蓄額は1,200万円前後となります。
老後に備えたい+αの準備とは
実際の老後生活では突発的な支出もあるため、余裕をもたせた「安心資金」として。
- 2000万円前後を目標にするのが現実的です。
また、家の修繕費や介護・医療費などが発生した場合に備え、定期的に見直しをしていくことも大切です。
まとめ:安心して暮らすための現実的な金額
2025年現在、60代独身・健康・持ち家ありの方が快適に過ごすためには、年金を前提にすれば最低でも1,200万円〜1,500万円、余裕を持ちたい場合は2,000万円以上の貯蓄を目安にしておくのが安心です。
将来に備えて不安を感じた時は、「いくら必要か」ではなく「どのくらいの生活を望むか」を明確にすると、目標が立てやすくなります。
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