傷病手当金を受け取る際に、給付額がどのように計算されるのかについて疑問を抱く方は多いでしょう。特に、月額報酬や賞与の「約2/3」という表現が出てくるため、額面ベースで計算すべきなのか、それとも手取り額を基準にすべきなのかが不明確になりがちです。本記事では、傷病手当金の計算方法について、具体的な例を交えて解説します。
まずは、傷病手当金がどのように支給されるのかを簡単に理解しておきましょう。
1. 傷病手当金とは?
傷病手当金は、病気やケガで仕事を休まざるを得ない場合に、生活費の一部として支給される金銭です。通常、勤務先の健康保険組合や国民健康保険などから支給されます。
支給金額は、給付を受ける人の月収に基づいて決まりますが、計算方法には一定のルールがあります。特に重要なのは、「報酬月額」の取り扱いと、それがどのように給付額に反映されるかです。
2. 傷病手当金の計算方法:額面?それとも手取り?」
傷病手当金の計算は、基本的に「額面ベース」で行われます。これは、あなたの給与明細に記載されている総支給額(基本給、残業代、手当などを含む)を基準にするということです。
「賞与の約2/3」とありますが、これはその年の賞与が支給された場合に、賞与の総額を3分の2として計算に含めるという意味です。この額面ベースの計算が、傷病手当金の支給額の基本となります。
3. 手取りから計算するのではない理由
手取りから計算するのではなく、額面ベースで計算する理由は、傷病手当金が生活を支えるための「代替収入」として支給されるからです。手取り額には、税金や社会保険料などが差し引かれた後の金額が記載されていますが、傷病手当金は生活の基盤となる収入の一部を補償するため、税金や社会保険料が引かれる前の額面を基準に計算されます。
そのため、手取り額よりも額面を基に計算することで、実際に生活に必要な金額が支給されることになります。
4. 実際の計算例:額面ベースと手取りの違い
実際の例を見てみましょう。例えば、月額報酬が30万円、賞与が60万円の場合、額面ベースでの傷病手当金の支給額は次のように計算されます。
月額報酬30万円 × 2/3 = 20万円(月の傷病手当金)
また、賞与の場合も、60万円 × 2/3 = 40万円となり、年に1回または2回の支給が行われる場合があります。
一方、手取りベースで計算した場合、税金や社会保険料が引かれているため、額面よりも支給額が少なくなることがわかります。
5. まとめ:傷病手当金は額面ベースで計算される
傷病手当金の計算においては、月額報酬や賞与の「約2/3」が額面ベースで計算されます。手取り額ではなく、額面ベースで計算されることを理解しておくことが大切です。
また、傷病手当金は、病気やケガによる収入減を補償するための重要な制度です。計算方法や支給額について正しく理解して、万が一の際にしっかりと活用しましょう。
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