障害のある相続人がいる場合の相続税基礎控除と非課税制度の活用ポイント

税金

相続税の計算においては、被相続人の法定相続人の数に応じて「基礎控除額」が変わります。また、障害を持つ相続人がいる場合には、別途「障害者控除」などの特例も活用できます。この記事では、兄弟姉妹間での相続と障害者が含まれるケースに焦点を当てて解説します。

相続税の基礎控除とは

相続税の基礎控除は、3,000万円+600万円×法定相続人の人数で算出されます。したがって、法定相続人が5人であれば、基礎控除額は以下の通りです。

3,000万円+600万円×5人=6,000万円

つまり、課税対象額が6,000万円を超える部分に対して、相続税がかかることになります。

兄弟姉妹が相続する場合の注意点

兄弟姉妹は、直系卑属(子や孫)ではないため、法定相続人としての扱いがやや特殊です。被相続人に配偶者も子もおらず、親も先に亡くなっている場合などに限り、兄弟姉妹が法定相続人になります。

このため、相続税の基礎控除や軽減制度の適用条件も異なり、障害者控除などの特例も一部制限されることがあります。

障害者控除の仕組み

障害者が相続人である場合、「障害者控除」が適用されます。これは以下の計算式によって算出され、相続税から控除されます。

(85歳-相続時の年齢)×10万円(特別障害者なら20万円)

たとえば、障害者手帳2級を持つ特別障害者(特別障害者の基準に該当する場合)が40歳で相続する場合。

(85歳-40歳)×20万円=900万円の相続税控除

この控除は1人あたりに適用され、税額控除として使用できます。

障害者控除と基礎控除の関係

障害者控除は、相続税の課税価格から控除される基礎控除とは別に、相続税額から直接差し引く税額控除です。そのため、課税対象の財産が基礎控除を超えた場合でも、障害者控除の恩恵を受けることで最終的な相続税が軽減またはゼロになる可能性があります。

実際の相続税シミュレーション

仮に2億円を5人で均等に相続した場合、1人あたり4,000万円の取得となります。基礎控除は6,000万円のため、課税対象額は1億4,000万円です。さらに障害者控除などを考慮することで、最終的な税負担は状況により大きく異なります

税率は累進課税制度で、金額に応じて10%~55%まで変化します。具体的な計算には税理士による個別相談が有効です。

まとめ:障害者がいる相続には特例活用を

相続においては、基礎控除の計算に加え、障害者控除などの特例を活用することで、税負担を大きく軽減することが可能です。兄弟姉妹が相続人になる場合や、複数の障害者が含まれるケースでは、制度の正確な理解と専門家への相談が重要です。

高額な相続財産がある場合こそ、相続税対策の事前準備が家族全体の安心に繋がります。

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