障害基礎年金2級を受給しながらも、「このままでは生活が成り立たない」と感じる方は少なくありません。特に精神疾患を抱える方にとって、無理のない就労先としてA型作業所が現実的な選択肢となることがあります。本記事では、A型作業所の利用期間や年齢制限、働きながら年金を受給する最善の方法についてわかりやすく解説します。
A型作業所とは?就労継続支援A型の基本的な仕組み
就労継続支援A型事業所は、障害のある方が雇用契約を結び、一定の支援を受けながら働ける福祉的就労の場です。最低賃金が保障され、一般企業への就職が困難な方でも、安定した収入と就労機会が得られることが特徴です。
対象者は、障害者手帳の有無にかかわらず、障害福祉サービス受給者証が交付されれば利用可能で、双極性障害や統合失調症など精神障害の方も多く利用しています。
A型作業所は65歳までいられるのか?利用期間の実情
A型作業所には法的な利用期限はありません。原則として65歳まで雇用契約を結び続けられる可能性がありますが、実際の運営上は「一定期間での就労移行」や「事業所の方針による契約更新の見直し」があるため、必ずしも“無期限”ではありません。
多くの事業所では、年1回〜2回の契約更新時に面談が行われ、体調や勤務態度、作業能力などをふまえて継続可否が判断されます。また、自治体や事業所の運営基準により「長期利用は望ましくない」とされるケースもあります。
そのため、「いずれはB型や一般就労への移行」を前提とした支援方針を持っている事業所も多く、長期利用を希望する場合は「更新方針が柔軟な事業所」を選ぶことが重要です。
障害基礎年金2級とA型作業所の収入は両立可能?
障害基礎年金2級を受給しながらA型作業所で働くことは法律上可能です。実際、多くの方が両立しています。
ただし、年金の継続受給には「障害の程度を維持していること」が条件となっており、収入が多すぎる場合や、フルタイムに近い勤務実態があると、「障害状態の軽快」と判断され、将来的な更新で不支給になるリスクもあります。
月に数万円程度の収入であれば問題ないケースが多く、年金とあわせて月12〜15万円ほどの生活基盤を築いている人もいます。
働きながら年金を受給する最善のスタイルとは?
無理なく安定的に生活するためには、次のようなスタイルが理想的です。
- A型作業所で週3〜5日程度、短時間勤務を継続
- 月収は3〜8万円程度を目安に調整
- 体調に応じて柔軟にシフト変更できる事業所を選ぶ
- 年金更新時の診断書内容には注意(医師と相談)
また、就労支援員や地域の障害者就業・生活支援センターと連携して、年金・就労・生活の3軸で相談できる体制を持っておくことが非常に有効です。
実例:双極性障害でA型作業所を継続利用しているケース
40代・男性。双極性障害で通院歴15年、障害基礎年金2級を受給中。過去に一般就労で挫折を経験し、A型作業所に転籍。現在は週4日・1日4時間の軽作業を担当し、月収6万円前後+年金で生活。
勤務中の配慮としては「急な休みへの理解」「作業スピードを問われない」「職員とのこまめな面談」があり、精神的にも安定。年金更新では主治医と相談のうえ「就労支援の場に通所している」と説明することで継続認定されています。
まとめ:年齢や障害を理由にあきらめず、安心できる働き方を見つけよう
障害基礎年金を受け取りながら働くという選択肢は、決して特殊なものではありません。A型作業所を活用すれば、体調に配慮した形で仕事と生活を両立できる道が開けます。
65歳までの長期的な利用も可能性はありますが、事業所選び・働き方のバランス・年金更新への配慮の3点がポイントです。焦らず、自分のペースで、確実な選択を重ねていきましょう。
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