運送業の営業ナンバー取得に必要なドライバー5人要件とは?パート・扶養内勤務者はカウントできるのか

社会保険

運送業で営業用のナンバープレート(通称:営業ナンバー)を取得するためには、国の定めた一定の条件を満たす必要があります。その中でも特に重要なのが「5人以上の常勤運転者の確保」です。しかしこの『5人』のカウント方法には細かい基準があり、「扶養内で働くパート」や「短時間労働者」が含まれるのか疑問に思う人も多いのではないでしょうか。本記事では、営業ナンバー取得における運転者のカウント基準や実務上の注意点について解説します。

営業ナンバー取得の基本要件:ドライバー5人と社会保険加入の関係

一般貨物自動車運送事業の許可を受けるためには、運輸支局に対し「常勤運転者5名以上を雇用している」ことを証明する必要があります。そして、その5名には原則として社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が求められます

この「社会保険加入」は、形式上ではなく実態に即した運用が求められるため、単なる人数合わせや形式的な雇用契約では不許可となるリスクがあります。

扶養内パートや短時間勤務者はドライバーとしてカウントできる?

結論から言えば、扶養内で社会保険未加入のパート職員をドライバー1名としてカウントすることは、基本的には認められていません。運輸局の審査では「労働時間」や「契約形態」だけでなく「社会保険の適用状況」も精査されるためです。

たとえ他社で働いておらず、専属でその会社に勤務していたとしても、週20時間以上・月収8.8万円以上などの社会保険加入条件を満たしていない限り、要件上の「常勤」とは認められにくいのが現状です。

月1回勤務・国保加入の専属ドライバーはどう評価される?

月に1回のみの勤務、あるいは社会保険未加入で国民健康保険に加入しているドライバーの場合、いかに会社に専属で働いているつもりでも、「常勤性」がないと判断される可能性が高いです。

営業ナンバー取得時に求められるのは、実働を伴う「継続的かつ常勤的な勤務」であり、形式的に名簿に載せるだけのドライバー登録では審査を通過できない場合があります。

運輸局が重視する「常勤」の基準とは

運輸局では、以下の点をチェックして「常勤運転者」であるかどうかを判断します。

  • 週の所定労働時間(概ね30時間以上が目安)
  • 社会保険への加入状況
  • 労働契約書や給与明細等の実態確認
  • 雇用保険被保険者資格取得届の写し

これらの要素が揃って初めて「常勤」と見なされるため、短時間・低収入でのパート勤務や名義上の在籍だけでは要件を満たしません。

実務上の対策とアドバイス

営業ナンバー取得を確実に進めるには、最低5名の運転者を実際に社会保険に加入させた上で、安定した勤務体制を整えることが不可欠です。

また、開業予定の事業者が不明点を抱えている場合は、各地域の運輸支局または行政書士などに事前相談を行うことが推奨されます。

まとめ:形式的な雇用ではなく「実態のある常勤性」がカギ

営業ナンバー取得においてドライバーとしてカウントされるためには、「実際に常勤として就業しており、社会保険に加入していること」が重要です。扶養内パートや短時間勤務者、国保加入者であっても、要件を満たしていなければ人数として計上できない可能性があるため、慎重に要件を確認し、実態に合った運営体制を整えることが成功のカギとなります。

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