障害年金の受給歴がある方が国民年金保険料を支払い続けた結果、あとから「免除扱いになる期間がある」と通知を受け、混乱されるケースは少なくありません。この記事では、特に平成26年の制度改正を中心に、障害年金と国民年金の関係についてわかりやすく解説します。
障害年金受給中の国民年金保険料の取り扱い
障害年金を受給している間は、所得がない・少ないという前提で、原則として法定免除(自動的に免除される)の対象となります。ただし、本人の意思であえて支払うことも可能で、これを「任意加入的な納付」と呼ぶ場合もあります。
この「法定免除扱いとなるが払った場合」の扱いは、過去の制度と現在の制度で大きく変わっています。誤って支払った場合に、後から戻るケースもあります。
平成26年4月以降の制度改正の要点
平成26年4月(2014年)以降の法改正により、「障害年金受給中で法定免除の資格がある人」は申出を行えば通常通り保険料を支払うことができるようになりました。この申出により納付した期間は、老齢年金受給時の受給額に反映されます。
一方で、平成26年3月以前は制度上そのような申出制度がなく、「自動的に免除」となる扱いが原則でした。したがって、支払った保険料は無効とされ、払い戻し対象になる場合があります。
実際の通知と払い戻しの例
たとえば、障害年金を平成20年〜平成26年3月まで受給していた人が、その期間にも保険料を払い続けていた場合、その分は「支払う必要がなかった=無効」とみなされ、結果として日本年金機構などから通知が届き、返金(還付)手続きが案内されることがあります。
一方、平成26年4月以降は、年金事務所に「納付の申出」をしていれば、保険料の納付は有効とされ、老齢年金額に反映されます。
年金定期便での記載と混乱について
年金定期便では、支払い実績が記録されているものの、その支払いが「有効」か「免除対象」となるかは、詳細な記録を取り寄せないと判断できません。そのため「払っていたのに、年金額に反映されていない」などの疑問が生じやすいのです。
特に制度が変わる平成26年を挟んでいる方は、その前後で扱いが全く異なるため、違和感があれば一度「年金記録の確認請求」などを通じて状況を整理するのが望ましいです。
過去の保険料が戻ってくる可能性と対応策
過去に支払った保険料が「法定免除対象で無効」と判断された場合、年金機構などから通知を受け、還付請求手続きを行うことで払い戻しが可能です。書類の記入と本人確認資料、通帳コピーなどが必要になります。
ただし、還付には時効も関係するため、案内が来たらできるだけ早めに手続きを進めましょう。また、金額が大きい場合は所得税の修正申告や医療費控除等との関係も生じる可能性があるため、税理士等に相談してもよいでしょう。
まとめ:制度の変更を理解し、損をしないために
障害年金の受給と国民年金保険料の関係は、平成26年の法改正を境に大きく変わりました。過去に払った保険料が無効となり還付されることはショックかもしれませんが、制度上正しい扱いであり、きちんと返金されるのであれば損とは言えません。
今後の年金額に反映させたい場合には、必ず「納付の申出」が必要となります。疑問がある場合は、日本年金機構の公式サイトや最寄りの年金事務所で個別に相談し、将来の備えを確実にしましょう。
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