最近では、給与振込を設定するだけで通常よりも高い金利が適用される銀行が増えてきました。しかし「高金利」と聞いても、その適用条件や実際に得られる利息の仕組みがわかりづらいこともあります。本記事では、給与振込によって金利が優遇される仕組みと、金利を最大限に活かすための運用ポイントをわかりやすく解説します。
銀行の金利は「残高」に対してつく
まず基本として知っておきたいのは、銀行口座の金利は「口座に預けている残高」に対して発生するということです。
たとえば、金利が年0.2%の銀行口座に100万円を1年間預けておけば、おおよそ2,000円の利息がつきます。しかし、毎月の残高が数百円〜数千円では、年利0.2%といっても利息は数円〜数十円にとどまることになります。
給与振込による「優遇金利」の条件とは?
一部のネット銀行では、「給与振込口座として指定すること」が金利優遇の条件となっているケースがあります。たとえば楽天銀行やauじぶん銀行などがこれに該当します。
この場合、実際に給与が振り込まれた実績があれば、翌月の預金残高に対して高い金利が適用される仕組みです。つまり、「給料の入金だけでOK」で、必ずしも資金を残し続ける必要はありません。
しかし注意すべき点もある
多くの銀行では「月末残高」や「毎日の平均残高」に対して金利がつく仕様です。よって、たとえば「給与が入金されたその日に全額引き出した場合」や「月末に残高がゼロだった場合」には、金利の対象となる元本がゼロとなってしまいます。
つまり、給与振込によって金利の優遇は得られても、実際に利息を受け取るには一定期間お金を残しておく必要があるということです。
例:楽天銀行のケースで考えてみよう
楽天銀行の「ハッピープログラム」では、給与振込があると普通預金の金利が年0.04%から0.10%にアップします。ただし、実際の利息は月末の残高や月間平均残高に対して計算されます。
たとえば、10万円を給与日から月末まで残しておいた場合、金利0.10%であれば、年間100円程度の利息がつく計算です。これが毎月続けば、じわじわと利息が積み上がっていくわけです。
高金利を活かす運用のコツ
給与振込を活用しつつ、利息を最大限に活かすためには以下のような工夫が有効です。
- 給与が振り込まれたあと、数日〜数週間は残しておく
- 家賃や光熱費などの支払いスケジュールを月末に寄せる
- 複数口座を用途別に使い分ける(貯金口座・支払い用など)
これにより、自然に残高が保たれ、優遇金利の恩恵を受けやすくなります。
まとめ:金利は「残しておくお金」に対してつく
給与振込によって金利が高くなる口座は魅力的ですが、実際に利息を得るには「お金を残しておく期間」がカギとなります。給与が入った当日に全額引き出してしまうと、金利の恩恵はほとんど得られません。
少しでも余裕のある資金を口座に残すよう意識するだけで、貯金効率はぐっと上がります。金利優遇口座を活用し、賢く資産運用を始めましょう。
コメント