精神障害年金の診断書⑥項目「傷病が治った日付」の意味とは?ADHDなど継続的障害との関係を解説

年金

精神の障害年金を申請する際に必要となる診断書。その中でも特に誤解を招きやすいのが、⑥項目に記載される「傷病が治った(症状が固定した状態を含む。)かどうか」に関する記述です。特にADHDのような発達障害の場合、「症状が固定」とはどういう意味なのか、不安になる方も多いのではないでしょうか。この記事では、年金診断書のこの項目の意味や記載の意図について、制度の観点から丁寧に解説します。

診断書⑥「傷病が治った(症状が固定した状態を含む)」とは

診断書の⑥項目では「この障害が治った(もしくは症状が固定した)日付」が問われます。しかし、ここでいう「治った」は医学的な完治ではなく、今後の治療で症状が大きく変化する可能性が低い、という状態も含みます。

つまり「治った日」ではなく「これ以上の治療で状態が劇的に改善する見込みがないと判断される日」を意味します。これはあくまで年金制度における手続き上の用語で、受給資格に直接影響するわけではありません。

ADHDなどの先天性・発達障害と「固定」の関係

ADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害は、生涯にわたって特性が続くものであり、完全に「治る」という概念には馴染みません。そのため、診断書上で「固定」と記載されていても、障害が消失したことを意味するものではありません

たとえば「発病日」が誕生日に設定されていて、「固定日」が最近の日付になっているケースでは、医師が症状の変動が安定してきた、または診断基準に基づいて現状評価を確定した、という意味合いが強いです。

固定日の記載が年金受給に与える影響は?

多くの方が懸念されるのが、「固定日が書かれている=障害が治癒したと判断され、年金が不支給になるのでは?」という点です。しかし、固定日の記載だけで障害認定が不利になることはありません

年金受給の可否や等級の判断は、診断書全体の内容や日常生活能力の判定など、総合的な情報に基づいて行われます。特に精神の障害年金では、「今どれだけ日常生活に支障があるか」が最も重視されます。

事前に主治医と共有したいポイント

診断書を作成する際には、日本年金機構の診断書記載要領をもとに、主治医と十分に相談することが重要です。本人の不安や将来の治療見通し、症状の変動なども踏まえたうえで、「固定」の記載がどう解釈されるか確認しておくと安心です。

たとえば、「症状が変化しにくいが支援は必要な状態です」などのコメントを補足で記載してもらうことも有効です。

まとめ:固定日=治癒ではない。制度上の目安として理解を

精神障害年金の診断書における「固定日」の記載は、制度上必要な目安にすぎず、障害の実態が改善したことを示すものではありません。特にADHDのように長期にわたり支援が必要な障害では、固定日の有無よりも、日常生活への影響や支援の必要性が審査において重要です。

不安がある場合は、社会保険労務士(社労士)などの専門家に相談し、診断書記載内容を確認してもらうのもおすすめです。

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