クレジットカードを切り替えた後、誤って古いカードで決済を試みてしまうケースは珍しくありません。店頭で「利用できません」と言われ、別のカードで決済を済ませたものの、「この操作が信用情報に傷をつけるのでは?」と心配になる方も多いでしょう。本記事では、こうした誤使用が信用情報(クレジットスコア)に与える影響について、金融実務の視点から丁寧に解説します。
誤って無効カードを使用した場合の処理の流れ
カードの切り替えが完了すると、旧カードは「失効済み」となり、加盟店の決済端末で読み込んでもエラーになります。これはあくまで「技術的なエラー」であり、利用履歴として信用情報機関に登録されることはありません。
カード会社の審査部門でも「エラー取引=信用事故」として扱うことはなく、実際の請求や延滞が発生していない限り、信用記録に影響はありません。
信用情報に登録される情報とは?
日本で信用情報を管理しているのは主に次の3機関です。
- CIC(株式会社シー・アイ・シー)
- JICC(日本信用情報機構)
- KSC(全国銀行個人信用情報センター)
これらの機関には、支払状況・遅延履歴・利用残高・契約内容などが登録されます。単なる「決済エラー」や「カード無効による拒否」は、加盟店とカード会社の間で完結するため、信用情報として外部機関に報告されることはありません。
カード切り替え時に起こりがちなトラブルと対応策
◆旧カードで決済してしまった→店頭でエラー表示。別カードで再決済すれば問題なし。
◆サブスクの自動更新に旧カードが設定されていた→引き落とし不能で遅延扱いになる恐れ。切り替え後は登録カードをすぐに更新することが重要です。
◆タッチ決済で自動選択される→スマホに旧カードが残っていると、優先設定で誤って使ってしまうことがあるので注意が必要です。
実例:信用情報に影響したケースとしなかったケース
●Aさん:旧カードで誤って買い物→決済エラー後に新カードで再決済。信用情報は一切影響なし。
●Bさん:旧カードで登録していた携帯料金の自動引き落としが失敗→翌月に延滞記録がCICに登録された。
このように、実際の支払い遅延がなければ信用情報に傷はつかないことがわかります。
まとめ:一時的な決済エラーは信用記録には影響しない
クレジットカードの切り替え後に旧カードを誤って使ってしまっても、信用情報に悪影響はありません。安心して問題なしと考えて差し支えないケースです。
ただし、自動引き落としや定期支払いに旧カードが残っていると、引き落としエラー→延滞という流れが発生する恐れがあります。切り替え時は、各種サービスの登録情報を速やかに更新することが、信用力を守る最大のポイントです。
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