高齢期を迎えると、保険の見直しや新たな加入を検討する方が増えます。その際に迷いやすいのが「死亡保障」と「介護保障」のどちらを重視するべきかという点です。この記事では、それぞれの保障内容と必要性、そして状況別の判断のコツについて詳しく解説します。
高齢者にとっての死亡保障の意義
死亡保障とは、被保険者が亡くなった際に遺族へ保険金が支払われる保険です。主に葬儀費用や遺された家族の生活費補填を目的としています。高齢者の場合、既に住宅ローンや子育てが終わっていれば大きな保障は不要とされることもあります。
ただし、遺族に金銭的負担を残したくないという気持ちから、100万円〜300万円程度の死亡保険に加入する方も少なくありません。
介護保障の重要性とリアルな支出
一方、介護保障とは、要介護状態になったときに一時金や年金形式で給付を受けられる保険です。自立支援や施設利用などにかかる費用をカバーできるのが特徴です。
例えば、要介護3以上の状態になると、施設利用料・訪問介護費用・家族の介護離職による影響など、月10万円〜20万円以上の支出が発生するケースもあります。
公的介護保険制度だけではカバーしきれない部分もあり、自助努力として民間介護保険を準備する人が増えています。
保険を選ぶときの判断材料
どちらを選ぶべきかは、その人の家族構成・資産状況・健康状態によって異なります。以下のチェックリストを参考にしてみてください。
- 葬儀費用を現金で用意していない → 死亡保障重視
- 介護の不安が強い、独居・配偶者が高齢 → 介護保障重視
- 貯蓄が十分にある → 少額保障でもOK
- 公的年金だけで将来が不安 → 両方をバランスよく検討
また、65歳を過ぎると新規保険加入の選択肢が減るため、60代前半での準備が理想的です。
事例紹介:Aさん(68歳女性)の保険選び
Aさんは夫を亡くし、現在は一人暮らし。子どもは独立しているが遠方に住んでいます。数年前に死亡保障200万円の終身保険に加入し、最近は要介護への備えとして介護保険に加入。月々の保険料は1万2千円程度ですが、将来的な安心感を得られたとのことです。
このように、家族構成や将来の暮らし方を踏まえた選択が重要になります。
介護と死亡保障の両立はできる?
最近では、死亡保障と介護保障の両方を備えたハイブリッド型保険も登場しています。例えば、死亡時には300万円の保障、要介護認定時には200万円が一時金として支払われるなど、柔軟な設計が可能です。
こうした商品はやや保険料が高くなりますが、「どちらも心配」という方には適した選択肢と言えるでしょう。
まとめ:自分に合った保障の選択がカギ
死亡保障と介護保障のどちらが重要かは、万人に共通する答えはありません。自身の家族状況やライフスタイル、貯蓄の有無、介護に対する考え方を整理し、必要な保障を必要なだけ備えることが大切です。
まずは今の生活設計を見直し、公的保障と合わせてシミュレーションしてみると良いでしょう。保険相談窓口やファイナンシャルプランナーの活用もおすすめです。
コメント