精神的な不調からメンタルクリニックや精神科を受診する人は年々増加しています。一方で、「保険に入れなくなるのでは?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。この記事では、通院歴が生命保険や医療保険の加入・更新にどのような影響を与えるのか、保険会社の審査の仕組みや対処法について詳しく解説します。
通院歴は保険会社にとって重要な情報
保険会社は新規契約時、加入者の健康状態や過去の通院歴をもとにリスクを審査します。特に精神疾患に関する通院歴は「高リスク」と判断されやすく、加入拒否や条件付き加入の対象になる可能性があります。
たとえば、うつ病・適応障害・不安障害・統合失調症などの診断がある場合、以下のような対応が取られることがあります。
- 加入不可
- 精神疾患に関連する入院・通院の給付対象外
- 一定期間経過後(例:完治から5年)に加入可
告知義務を怠るとトラブルの原因に
保険契約時には「告知義務」があります。これは健康状態や通院歴などを正直に申告する義務であり、嘘や未申告が発覚すると「契約解除」や「保険金不支給」になるリスクがあります。
たとえば、過去5年以内にメンタルクリニックで診療を受けたにもかかわらず申告しなかった場合、万が一の際に保険金が支払われないという事態も起こり得ます。
更新・継続には影響するのか
基本的に、契約中の保険を「更新」するだけであれば、原則として新たな健康告知は不要です。ただし、「転換制度(更新と同時に内容変更)」を使う場合には再審査があることが多いため注意が必要です。
現在加入している保険がある場合、病状が安定していても、むやみに解約せずに継続するのが安全な選択です。
精神科通院中でも入れる保険はある?
最近では、精神疾患の診断歴があっても加入できる保険商品も増えてきました。具体的には。
- 告知項目が少ない「引受基準緩和型保険」
- 加入時の健康審査がない「無選択型保険」
ただし、これらは通常の保険より保険料が高く、保障範囲も限定的なため、十分に内容を確認してから加入することが重要です。
実際の対応例:通院歴と加入可否の実例
ケース1:2年前に適応障害で2か月通院し、その後治療終了→完治から2年経過しており、軽度であったため通常の医療保険に条件付きで加入可能。
ケース2:現在も心療内科に定期的に通院中→多くの保険では加入不可または精神疾患に関する保障は除外。
まとめ:通院歴がある場合でも正しく準備すれば保険に加入できる可能性はある
メンタルクリニックや精神科への通院歴があると、確かに保険の加入に影響を与えることがありますが、それが即「加入不可」というわけではありません。現在の健康状態や完治からの経過年数、診断内容などによっては加入できる保険もあります。
大切なのは、正直に告知することと、選択肢を広げるために複数の保険会社や保険プランを比較検討することです。専門家やファイナンシャルプランナーへの相談も有効です。
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