国民年金の未納分を追納すると、将来の年金受給額を増やすだけでなく、税金の負担も軽減できる場合があります。本記事では、追納によって所得税や住民税がどのように軽減されるのか、控除の時期や手続き方法について詳しく解説します。
追納した国民年金保険料は「社会保険料控除」の対象になる
国民年金の追納分は、当該年に支払った保険料として社会保険料控除の対象になります。つまり、追納した金額をその年の所得から控除することで、課税所得が減り、所得税と住民税の両方を軽減する効果があります。
例えば、その年に10万円を追納した場合、課税所得が10万円減少し、所得税率が10%なら1万円、住民税が10%なら1万円、合わせて約2万円の税負担軽減につながります。
住民税は「翌年」に反映されることに注意
所得税は「その年の確定申告」により精算されますが、住民税はその翌年に課税されるため、控除の影響が現れるのは翌年度となります。
たとえば、2025年中に国民年金を追納し、確定申告で社会保険料控除を申請すれば、2025年分の所得税が安くなり、2026年6月からの住民税(2025年所得に基づく)にも反映されます。
追納で税額がどのくらい下がるのか?シミュレーション例
年収 | 追納額 | 所得税減額 | 住民税減額 | 合計軽減額 |
---|---|---|---|---|
400万円 | 100,000円 | 10,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
600万円 | 200,000円 | 30,000円 | 20,000円 | 50,000円 |
※税率は概算(所得税:10〜15%、住民税:一律10%)
控除を受けるための手続きと注意点
会社員で年末調整を受ける場合は、「社会保険料控除証明書」を年末調整書類に添付するだけで控除されます。自営業や副業収入のある方は、確定申告で社会保険料控除欄に記載しましょう。
注意点として、追納した年に申告しなければ控除は受けられません。翌年に申告しても対象にならないため、忘れずに手続きすることが大切です。
過去10年分まで追納可能だが、時効や追加料金に注意
原則として、国民年金の追納は過去10年分まで認められていますが、時効間近の年度は申請期限が迫っていたり、加算金(追納加算額)が発生する場合があります。
加算金は最大で年利14.6%相当にもなりうるため、早めに納付することで節税効果を損なわずに済みます。
まとめ:国民年金の追納は節税のチャンス!
国民年金の追納によって、その年の所得税と翌年の住民税の両方を軽減できることは正しい認識です。控除を確実に受けるためには、支払年の年末調整または確定申告で忘れずに申請しましょう。
節税効果を最大限に活かすには、追納のタイミングや証明書の保管、加算金の有無なども踏まえた計画的な納付が重要です。
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