iDeCo一時金の税金はどうなる?退職後の移管と控除の関係を徹底解説

年金

退職後に企業型確定拠出年金をiDeCoへ移管された方や、これから毎月掛金を拠出しようとする方にとって、60歳以降に受け取る際の税金の仕組みは重要なポイントです。この記事では、iDeCoの一時金受取時にかかる税金の仕組みと、勤続年数や掛金額による所得控除の考え方を詳しく解説します。

iDeCoを一時金で受け取る場合の課税方法

iDeCoを一時金として受け取ると、その金額は「退職所得」として扱われます。退職所得には「退職所得控除」が適用され、一定額までは税金がかかりません。

控除額は、以下のように勤続年数(iDeCoの加入期間を含む)に応じて計算されます。

  • 勤続20年以下:年数×40万円(最低80万円)
  • 勤続20年超:800万円+(年数-20年)×70万円

iDeCoの加入期間=勤続年数とは限らない

注意が必要なのは、企業型DC(確定拠出年金)をiDeCoに移管した場合、その拠出期間と移管後のiDeCo加入期間を合わせて「勤続年数」とみなすことです。勤続年数15年、移管後のiDeCo拠出が5年あれば合計20年で計算されます。

例えば、15年の企業型DC+10年間のiDeCo=25年とした場合、退職所得控除は800万円+(25年-20年)×70万円=1,150万円となります。

退職所得控除を超えたら税金が発生

退職所得控除を超える分が課税対象になります。ただし、以下の計算式により、実際の課税所得は半分になります。

(iDeCoの受取金額-退職所得控除額)÷2

例として、1,200万円を一時金で受け取る場合、控除が1,150万円であれば課税対象額は(1,200万-1,150万)÷2=25万円となり、その金額に対して所得税と住民税が課されます。

他の退職金との関係にも注意

すでに会社から退職金(一時金)を受け取っている場合、iDeCoの退職所得控除額と合算されます。これは「1回の退職」として見なされるため、控除額を共有する形になります。

そのため、企業からの退職金が控除枠を使い切ってしまっている場合、iDeCoの受取金は課税対象になる可能性があります。

確実に非課税にするためのポイント

・企業型DCの加入期間+iDeCo拠出期間を正確に把握する
・退職金とiDeCo一時金の受取タイミングをずらす(5年以上空ければ別カウント)
・退職所得控除シミュレーションを税理士や年金機構の窓口で確認する

同じ年に企業退職金とiDeCoを一括受取する場合、控除が足りなくなる可能性が高いため要注意です。

まとめ:iDeCoの一時金と税金は「控除額の把握」がカギ

・iDeCo一時金は「退職所得」として扱われ、控除の範囲内なら非課税
・控除額は企業型DCとiDeCoの期間を合算して算出
・退職金と同じ年に受け取ると控除を使い切ってしまう恐れがある
・課税を避けるにはタイミング調整や税務相談が有効

不安な場合は専門家に相談し、ご自身の加入状況と受取計画を早めに確認しましょう。

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