障害基礎年金2級の受給が決定した方にとって、「働かずに暮らしていけるか」「将来の生活設計はどうすべきか」といった疑問はとても重要です。特に実家暮らしの場合、当面の生活は成り立つかもしれませんが、長期的な視点で考えると備えが必要です。
障害基礎年金2級の受給額と生活費とのバランス
障害基礎年金2級の受給額は年額で約80万円〜100万円前後(令和6年度は約78万円+子の加算あり)となっており、月額では約6万5千円〜8万円程度が目安です。単身で自立した生活を送るにはかなり厳しい金額と言えるでしょう。
実家暮らしであれば、家賃や食費などを親に頼ることが可能なため、一時的には安定した生活が送れるかもしれません。しかし、将来的に親が高齢になったり亡くなった場合、生活環境が大きく変化します。
親が健在な間は働かなくてもいい?
障害年金は働かないための制度ではなく、働きにくさを抱える方の所得補填や生活支援を目的とした制度です。障害基礎年金を受給しながら働くことは法律上問題なく、むしろ働ける範囲での就労は推奨される場合もあります。
精神障害や発達障害などで継続的な就労が難しい場合でも、就労継続支援B型やA型といった福祉的就労の選択肢もあります。障害年金と併用することで、経済的自立に向けた準備も可能です。
親が亡くなった後に生活保護は受けられる?
生活保護は資産や収入が一定以下で、他に生活手段がない場合に申請可能です。障害基礎年金を受給していても、生活保護の基準以下であれば併用は可能です。
ただし、生活保護の受給には資産調査や親族への扶養照会などが行われるため、すぐに受けられるとは限りません。スムーズに申請できるように、役所の福祉課や地域の生活困窮者支援窓口と早めに相談しておくのが安心です。
障害者支援制度を活用して将来に備える
働くことが難しくても、国や自治体が用意しているさまざまな支援制度を活用することで、より安定した生活を目指すことが可能です。たとえば以下のような制度があります。
- 特別障害者手当
- 障害者控除・住民税非課税制度
- 地域生活支援事業(ヘルパー・生活訓練など)
- 障害者就労支援機関
これらの制度は自治体によって内容が異なるため、住んでいる市区町村の福祉課や障害者支援センターに相談して情報を集めましょう。
自立支援のために今できること
実家暮らしのうちに、将来に備えて少しずつでも就労の経験や社会資源の利用を始めることが大切です。たとえば、以下のようなアクションが考えられます。
- 障害者就業・生活支援センターに登録する
- 福祉事業所の見学や体験利用をしてみる
- 社会福祉士や就労移行支援の相談を受ける
これらの経験は、将来的に生活保護を申請することになった場合にも、適切な支援や住宅の確保などに役立ちます。
まとめ:障害年金だけに頼らず将来を見据えた準備を
障害基礎年金2級を受給している方にとって、実家暮らしは安心できる環境ですが、将来に向けて準備をしておくことはとても大切です。親がいなくなったあとにどう生きるかを考え、今のうちに支援制度や働き方について知識を深めておくことが、安定した生活への第一歩となります。
不安がある場合は、厚生労働省の障害年金に関するページや、地域の福祉窓口に相談してみましょう。
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