オフィスや事務所を借りる際には、家賃だけでなく仲介手数料にも消費税がかかりますが、その計算方法を誤解しているケースも少なくありません。この記事では、事務所賃貸契約における仲介手数料の正確な計算方法と、注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
■仲介手数料の上限は「家賃1か月分+消費税」
不動産会社が事務所や店舗の仲介を行う場合、宅地建物取引業法により「家賃1か月分(税抜)を上限」として手数料を請求できます。ここでの「家賃」は原則として消費税抜きの金額であり、消費税は別途加算されます。
つまり、月額賃料が10万円(税抜)の場合、仲介手数料の上限は以下のように計算されます。
項目 | 金額 |
---|---|
賃料(税抜) | 100,000円 |
消費税(10%) | 10,000円 |
仲介手数料(税込) | 110,000円 |
■賃料にかかる消費税と仲介手数料の関係
事務所や店舗など、居住用でない不動産の賃貸には消費税が課税されます。このとき、賃料は「10万円+消費税1万円=合計11万円」となります。
一方で、仲介手数料の計算基準は税抜き賃料です。つまり、「11万円」に対してさらに消費税をかけるわけではありません。以下の計算は誤りです。
誤:110,000円 × 1.1 = 121,000円(これは消費税の二重課税)
正しくは、100,000円 × 1.1 = 110,000円となります。
■仲介手数料に消費税がかかる根拠
仲介手数料もまた課税対象です。不動産会社が提供する「仲介業務」は、消費税法上の「役務の提供」に該当するため、原則として消費税が加算されます。
そのため、見積書などでも「仲介手数料:100,000円+消費税:10,000円=合計:110,000円」と記載されているのが一般的です。
■複数月分の家賃を支払う場合の計算方法
入居時に「敷金」「礼金」「前家賃」など複数月分の支払いが発生することがありますが、仲介手数料はあくまで1か月分の税抜賃料が上限です。例えば家賃3か月分を一括で支払う場合でも、仲介手数料は「月額家賃×1.1」となります。
■まとめ:仲介手数料は賃料に対して1.1倍が正解
事務所の賃料が税抜で10万円の場合、仲介手数料は「10万円+消費税10%」で11万円となります。よって、質問の選択肢で正しいのは1の「10万円×1.1=11万円」です。
不動産契約では、こうした消費税の扱いが金額の誤解を招くこともありますので、しっかりと計算根拠を理解しておくことが安心につながります。
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