会社員として働いていて厚生年金に加入しているはずなのに、市区町村から国民年金の加入案内が届いて驚いた方は少なくありません。特に転職や引っ越しを挟むと、年金記録に不整合が生じるケースもあります。この記事では、厚生年金に加入しているにもかかわらず国民年金の案内が届いた場合の原因と対処方法について詳しく解説します。
厚生年金と国民年金の違いを整理しよう
まず前提として、日本の年金制度は「国民皆年金」を基本とし、20歳以上60歳未満のすべての人がいずれかの年金制度に加入することが義務付けられています。自営業者や学生は「国民年金(第1号被保険者)」、会社員は「厚生年金(第2号被保険者)」に分類されます。
厚生年金に加入していれば、国民年金の手続きは原則不要です。会社が保険料を天引きしている場合、厚生年金分には国民年金相当も含まれているため、重複して支払う必要はありません。
転職時の年金資格の切り替えミスが原因のことも
厚生年金から別の厚生年金にスムーズに移行する場合でも、退職日と入社日が前後していると、記録上「無職」と判断される空白期間が発生することがあります。その結果、自治体が「空白期間がある=未加入の可能性あり」と判断し、国民年金の加入案内を送ってくるのです。
たとえば、1月14日に退職し、1月15日に新しい職場へ就職していても、その事実が年金機構に正確に連携されていないと、1月15日以降の加入状況が確認できず、案内が届く可能性があります。
引っ越しも影響する?住所変更による案内送付の事例
住民票の移動を伴う引っ越しをした場合、新住所の市区町村が過去の年金加入履歴と照らし合わせて国民年金の加入案内を送ることがあります。これは善意の通知であり、すでに厚生年金に加入していれば無視してよい場合もありますが、念のため記録を確認することが重要です。
年金記録が引っ越し先の自治体と正しく紐付いていないこともあるため、「厚生年金に入っているのに案内が来た」と感じた場合は、住所変更のタイミングや手続き方法も確認してみましょう。
年金事務所での確認が最も確実な対処方法
案内を無視する前に、念のため最寄りの年金事務所に連絡して、自分の年金加入記録を確認するのがベストです。以下のような情報を伝えるとスムーズです。
- 退職日と入社日
- 会社名(前職・現職)
- 引っ越し日と新旧住所
もし記録に漏れがあれば、会社の「資格取得届」や「資格喪失届」の提出状況を確認してもらうことになります。
放置すると保険料の二重請求の可能性も
国民年金の案内を「不要」と思って放置していると、後日「未納」として保険料の請求が来ることがあります。重複支払いになる恐れがあるため、放置せず対応することが重要です。厚生年金に加入している証拠(給与明細や資格取得届のコピーなど)を提出すれば、請求は取り消される可能性が高いです。
まとめ:厚生年金加入中でも国民年金案内が届く理由は複数ある
厚生年金に加入していても、転職や引っ越し、記録の遅延などで国民年金の案内が届くことはあります。しかし、慌てずにまずは自身の年金記録を年金事務所で確認し、必要に応じて対応しましょう。状況を正確に把握することで、誤った支払いや将来の年金額への影響を防ぐことができます。
コメント