通勤や通学などでモバイルSuicaを活用する際、定期券とチャージ残高(SF)を併用して途中まで定期区間、そこから先は現金チャージで支払いたいというケースはよくあります。本記事では、複数のSuicaカードをモバイルSuicaに登録した場合の扱いも含めて、スムーズに運用するためのポイントを解説します。
モバイルSuicaは1枚のSuicaのみ利用可能
まず大前提として、モバイルSuicaアプリでは同時に使用できるSuicaは1枚のみです。複数のSuicaカードを登録することはできますが、アプリ上で「メイン」として選択されているSuicaしか改札機では使えません。
つまり、複数のカードを登録していても、改札で自動的に使い分けてくれる機能はありません。常に1枚のSuicaが有効となっており、そのSuicaに定期券とチャージ残高が両方存在している必要があります。
定期区間外は自動でチャージ残高から精算される
有効なモバイルSuicaに定期券が入っている場合、その区間外に出た時点で不足分は自動的にチャージ残高(SF)から差し引かれます。この機能を「SF併用」と呼びます。
たとえば「A駅〜C駅」が定期区間で、B駅〜D駅まで乗車する場合、A〜Cまでは定期でカバーされ、C〜Dの運賃はチャージ残高から引かれる形になります。別のSuicaに残高があっても、それは使用されません。
複数カードを使いたい場合の対処法
複数のSuicaを使いたい場合、それぞれを「物理的に別端末に登録」または「一時的にメインを切り替える」などの手間が必要です。しかし実用面ではあまり現実的ではないため、一つのSuicaに定期券とチャージを統合するのが最も安全で確実です。
例:Suica Aに定期券がある → Suica Aに3000円チャージしておく。これで区間外の運賃が自動精算される。
Suicaの選択状態を確認・変更する方法
モバイルSuicaアプリのトップ画面から、現在アクティブになっているSuicaを確認できます。複数Suicaを登録している場合は、一覧表示から該当のSuicaを選択し「このSuicaを使う」に設定変更しましょう。
ただし、設定変更は即時反映されますが、駅の改札での混乱を避けるため、使用前に変更を確実に済ませておくことが大切です。
まとめ
モバイルSuicaを利用する場合、定期券とチャージ残高の併用は可能ですが、1枚のSuica内で完結させる必要があることを理解しておきましょう。
- 定期券とチャージは1枚のSuica内に統合する
- 複数カードの併用は自動的に行われない
- 区間外運賃は自動的にSF残高から支払われる
余計なトラブルを避けるためにも、使用するSuicaの状態をアプリで事前に確認し、必要なチャージを済ませておくことがポイントです。
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