老後資金として2,000万円が必要といわれるなか、「500万円を一括でオルカン(全世界株式インデックスファンド)に投資すれば、それで十分では?」という声も聞かれます。果たしてそれは浅はかな考えなのでしょうか?この記事では、実際に40歳からのオルカン投資がどの程度の成果を生む可能性があるのかを現実的にシミュレーションし、注意すべきポイントも踏まえて解説していきます。
オルカンとは何か?投資初心者でもわかる特徴
「オルカン」とは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の略称で、世界中の株式市場に広く分散投資できるインデックスファンドです。1本で先進国・新興国問わず分散されており、初心者にも人気があります。
手数料の低さや運用の手軽さが評価されており、長期的な資産形成に向いている商品といえるでしょう。
40歳から65歳まで運用した場合のシミュレーション
仮に40歳で500万円をオルカンに一括投資し、65歳まで25年間保有した場合を想定してみましょう。平均利回りを「年利5%」と仮定した場合の将来価値は以下の通りです。
500万円 × (1 + 0.05)25 ≒ 約1,694万円
さらに、年利7%でシミュレーションすると約2,712万円になります。
これはあくまでシミュレーションですが、「2,000万円」に届く可能性は十分にあります。ただし、運用リスクや相場の変動を加味する必要があります。
一括投資と積立投資の比較:どちらがよい?
一括投資は「相場の底」で入れた場合に最も効率がよく、複利の恩恵も大きくなります。一方で、市場がすぐに暴落した場合は資産が一時的に大きく目減りするリスクもあります。
積立投資(ドルコスト平均法)はリスク分散に効果がありますが、複利効果がやや遅れる傾向にあります。時間を味方につけるには、「長期・積立・分散」が基本です。
リスクと付き合うための心構え
長期投資では必ず価格の上下が発生します。2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックのような暴落時にも冷静に保有を続けることが重要です。
「一時的な含み損に耐えられるかどうか」が、投資の成否を分けるポイントになると言っても過言ではありません。
税制メリットを活用しよう:NISA・iDeCo
特に長期投資を行うなら、新NISA制度やiDeCo(個人型確定拠出年金)などの非課税制度を活用することで、運用益にかかる税金(通常20.315%)を回避できます。
特に新NISAでは年間360万円(成長投資枠)まで非課税で運用でき、長期投資との相性が抜群です。
実際に成功した一括投資の事例
ある読者の例では、2013年に300万円をインデックスファンドに一括投資し、2023年には約2.5倍に増えたという実績があります(S&P500ベース)。
もちろんタイミングにもよりますが、長期保有と市場の平均成長があれば、資産形成は十分に可能です。
まとめ:オルカン一括投資は「浅はか」ではなく「堅実な選択肢」
40歳からのオルカン一括投資は、2,000万円を目指すうえで「浅はか」どころか、現実的かつ堅実な方法と言えます。ただし、リスクをしっかり理解し、非課税制度の活用や心の準備も忘れずに。
資産形成に「遅すぎる」はありません。今からでも始める価値は十分にあります。
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