加給年金とは?65歳から受給するメリットと70歳繰下げ受給の損得を徹底比較

年金

年金の受給タイミングは、老後の生活設計に大きな影響を与える重要な選択です。特に配偶者や子どもがいる場合、加給年金の有無によっても金額が変わります。本記事では、加給年金の仕組みと、65歳から受給する場合と70歳まで繰下げる場合の損得を具体例とともに解説します。

加給年金とは?その仕組みをおさらい

加給年金は、厚生年金保険に20年以上加入した人が老齢厚生年金を受給する際に、一定の家族(主に配偶者や子ども)がいる場合に加算される年金です。

たとえば、受給者の配偶者が65歳未満、または18歳未満の子ども(もしくは障害状態にある20歳未満)がいる場合、年間で配偶者:約39万円、子ども1人あたり約22万円が加算される可能性があります。

繰下げ受給と加給年金の関係

年金は本来65歳から受給できますが、受給を70歳まで繰下げることで最大42%増額されます。一方、加給年金は65歳から支給開始されたときにしか支給されません。つまり、繰下げ受給を選択すると、加給年金は受け取れなくなります。

たとえば、65歳時点で加給年金を受け取れる条件を満たしていても、受給を70歳にするとその間の加給年金は受け取れず、消滅してしまうのです。

【ケース別試算】65歳受給 vs. 70歳繰下げ

■ケース:夫65歳・妻49歳・子ども2人(10歳・11歳)
・加給年金:配偶者 約39万円+子ども約44万円=年間約83万円

・65歳から3年間で受け取れる加給年金:83万円 × 3年 = 249万円
・この間に老齢厚生年金の本体分も通常通り受け取れます。

一方、70歳から受け取った場合の年金額は最大42%増えるとしても、加給年金の喪失分を取り戻すには15〜17年かかるケースもあり、生涯受給額が逆に少なくなるリスクもあります。

加給年金を受け取る条件とは?

  • 厚生年金保険に20年以上加入している
  • 配偶者が65歳未満
  • または18歳未満の子どもがいる(高校卒業年度の3月末まで)

この条件を満たしている場合、65歳からの受給で加給年金が上乗せされる可能性が高いため、繰下げによる単純な増額だけでは損得を判断できません

加給年金はいつまで支給されるのか?

配偶者が65歳になった時点で加給年金の支給は終了します。子どもの加算も、それぞれ18歳になった最初の3月31日までです。

つまり、夫65歳時点で子どもが10歳と11歳なら、それぞれ約7年・8年程度は支給される可能性があり、数百万円の加給年金を受け取れる計算になります

まとめ:繰下げよりも加給年金が得なケースもある

加給年金は、条件を満たせば数十万〜数百万円もの上乗せが期待できる制度です。特に子どもがいる家庭では受給期間も長く、65歳から年金を受け取ることで確実に支給を受ける方が生涯受給額が増える可能性があります。

繰下げ受給は魅力的な制度ですが、加給年金の有無を考慮した上で慎重に判断することが大切です。

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