ひとり社長・家族経営でも社会保険に加入できる?起業時の保険制度を徹底解説

社会保険

株式会社を設立する際、社会保険への加入は避けて通れないテーマです。特にひとり社長や家族経営の場合、「労災や雇用保険も入れるのか?」「健康保険証はどうなるのか?」といった疑問が出てくるでしょう。本記事では、起業形態別に社会保険の加入要件や注意点を解説します。

社会保険とは?まず押さえておきたい基礎知識

社会保険は主に5つの制度に分かれています:健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険(40歳以上)。株式会社など法人を設立した場合、従業員を1人でも雇えば、社会保険の強制適用事業所となります。

つまり、法人を設立し役員報酬を設定すれば、たとえ社長1人でも健康保険と厚生年金への加入義務が発生します。

ひとり社長でも社会保険には加入できる?

結論から言えば、できます。代表取締役として会社から報酬を得ていれば、たとえ社員が自分1人でも健康保険・厚生年金に加入しなければなりません。これは「法人に雇われている」という形式をとるからです。

ただし、労災保険と雇用保険は条件が異なります。経営者(会社役員)は労働者ではないため、原則的に労災・雇用保険の対象外です。

家族経営の場合の社会保険の取り扱い

旦那が社長、妻が副社長、子供が従業員という家族経営の場合、社会保険の扱いは役職・勤務形態によって異なります。社長・副社長ともに役員報酬があれば、健康保険と厚生年金に加入します。

子供が従業員としてフルタイムで勤務し、かつ労働契約が存在する場合は、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金のすべてに加入できます。ただし、形式的な勤務実態(名義だけの雇用)だと保険加入が否認される可能性があります。

雇用保険と労災保険の注意点

雇用保険は、原則として週20時間以上働く一般従業員が対象です。社長や役員は対象外ですが、役員であっても「実質的に労働者」と見なされれば例外的に加入が認められる場合もあります(個別確認が必要)。

労災保険は、法人代表でも「特別加入制度」を利用することで加入が可能です。建設業や運送業など、リスクの高い業種では特別加入が一般的です。

社会保険に加入するメリット

社会保険は負担が重いと思われがちですが、実は老後の年金額や病気・けが時の保障が手厚いというメリットがあります。たとえば、厚生年金の受給額は国民年金よりも高く、保険料を払っている間に傷病手当金や出産手当金を受けられる制度もあります。

また、法人として従業員を雇う際も「社会保険完備」であることが採用力に繋がります。

社会保険の手続きはどうする?

法人登記後、健康保険・厚生年金の加入は年金事務所で、雇用保険と労災保険はハローワークや労働基準監督署で手続きを行います。電子申請も可能ですが、初心者は社会保険労務士に相談するのもおすすめです。

特に「特別加入」を検討する際は、労働保険事務組合を経由しての申請が必要になるため、準備に時間がかかることもあります。

まとめ:ひとり社長でも社会保険は加入すべき

法人を設立すれば、ひとり社長でも健康保険と厚生年金に加入する義務があります。家族経営でも実態が伴えば、家族全員で社会保険に加入できます。雇用・労災保険については条件次第ですが、特別加入や実質労働者扱いによってカバー可能です。

起業時は保険制度の理解と正しい手続きが重要です。分からない場合は社会保険労務士に相談しながら進めると安心でしょう。

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