がん保険における一時金の必要性を見直す際、抗がん剤治療などに絞る選択肢も現実的です。しかしその一時金に「三大疾病保障(がん・心疾患・脳血管疾患)」が含まれていた場合、そのカバー範囲を削ることにはリスクも伴います。本記事では、医療保険の選択における判断ポイントを具体的に解説していきます。
がん保険の一時金の役割とは?
がん保険の「診断一時金」は、がんと診断された段階でまとまった金額(例:50万円〜100万円)が支払われるものです。この資金は、治療費以外にも通院交通費や収入減少への補填など、自由に使えるのが特徴です。
一時金があることで、治療を始めるタイミングや療養生活の準備を柔軟に整えやすくなるというメリットがあります。
三大疾病保障つきの一時金は別格?
近年では、がんだけでなく、急性心筋梗塞や脳卒中などの重大疾病にも対応する「三大疾病保障」がセットになった保険商品が一般的です。これらは治療費も高額になりやすく、長期療養のリスクもあります。
特に、発症後に労働が困難になるケースも多いため、一時金の存在が家計維持の命綱になることも珍しくありません。
「親族に病歴がない」=安心ではない理由
確かに家系にがんや心疾患、脳血管疾患の既往がない場合、発症リスクはやや低いと考えられます。しかし、生活習慣やストレス、環境要因で発症するケースも非常に多く、遺伝要素だけでリスク判断するのは危険です。
実際に、厚生労働省の統計では脳卒中・心筋梗塞の発症者の多くが家族に病歴がないケースも含まれており、誰にでも起こりうる問題とされています。
就労不能保険や傷病手当との違い
就労不能保険や傷病手当金は、継続的な収入補填として非常に有効ですが、給付には審査が必要であり、支払いまでに時間がかかることもあります。
一時金は「診断確定」で即金が出るため、初期費用の支出に迅速に対応できるという大きな利点があります。公的給付と民間保障の組み合わせが理想的なバランスを作ります。
一時金を外して後悔するパターンとは
実際に「若いから不要」と判断して一時金を外し、30代で脳梗塞を発症した人が、生活費や治療費の捻出に苦労したケースも報告されています。
また、通院やリハビリが長期化し、就労復帰できず、就労不能保険の要件にも該当せずに困窮したという例もあります。不測の事態に備えた備えが「安心」を生み出します。
まとめ
がん保険の一時金を削ることで保険料は節約できますが、それにより「三大疾病保障」も外れてしまう場合は慎重な判断が求められます。親族に病歴がなくとも、自身のライフスタイルや医療費リスクを踏まえて、将来の備えを見直すことが重要です。
医療費・生活費・収入の不安を一時金で一気にカバーできるメリットを理解したうえで、保障内容を検討してみましょう。
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