転職をすると、さまざまな手続きが必要になりますが、その中でも年末調整に影響する「扶養控除等申告書」の提出は重要なポイントです。本記事では、特に9月など年の途中で転職した方が、扶養控除等申告書を新しい勤務先へ提出する際の記入方法や注意点について解説します。
「主たる給与の支払者」の選択とは?
扶養控除等申告書では、「主たる給与の支払者(=メインの勤務先)」を選ぶ必要があります。年末時点で勤務している会社、もしくは今後の給与が最も多く支払われる見込みのある会社をメインとして選びます。
したがって、9月から新しい勤務先に就職し、年末まで継続して勤務する予定であれば、その会社が「主たる給与の支払者」に該当するため、「当社がメインで給与の支払いを受けている」にチェックを入れましょう。
前職と現職の給与金額欄の書き方
扶養控除等申告書の中にある「他社からの給与収入」や「当社での年間給与見込額」は、以下のように入力します。
- 前職の給与額:1月〜退職月までに実際に受け取った総支給額(源泉徴収票があればその金額)
- 現職の給与額:入社月〜12月までに受け取る予定の見込み支給額(手取りではなく総支給額)
正確な源泉徴収を行うための参考情報となるため、できるだけ具体的な数字を入力するようにしましょう。
源泉徴収票の扱いと年末調整への影響
前職での源泉徴収票は、現職の人事部または経理部に提出する必要があります。これにより、会社側で正確に年末調整を行い、納税額を調整できます。
源泉徴収票を提出しなかった場合、所得が合算されず税金を多く支払う可能性があるため、退職時にもらい忘れないように注意してください。
配偶者や扶養親族の記入について
結婚している場合や扶養している親族がいる場合、その情報も正確に記載する必要があります。「所得見積額」や「生年月日」などを記入漏れなく記載しましょう。記入ミスは税額計算に影響します。
学生の子どもや収入のない配偶者も扶養に該当するため、該当する場合は必ず申告しましょう。
年途中の転職者が間違いやすいポイント
- 前職の給与額を正確に把握していない
- 現職の年間給与を「月収×12」としてしまう(実際は数か月分のみ)
- 源泉徴収票の提出を忘れる
これらのミスを防ぐため、給与明細や雇用契約書を活用し、見込み額をできる限り正確に入力することが大切です。
まとめ:扶養控除等申告書は年末調整の要、正しく記入しよう
扶養控除等申告書は、税金の過不足を防ぐための重要な書類です。年の途中で転職した場合でも、正しい知識で前職と現職の収入を申告し、源泉徴収票も忘れず提出しましょう。
新しい職場にとっては初めての提出であるため、不明点がある場合は人事担当者に確認し、正確に手続きを進めていくことが税金の損を防ぐ最善の方法です。
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