フリーターから正社員へ転職する際、社会保険の切り替えについて不安を感じる方は少なくありません。特に月の途中で転職する場合、「保険はどうなるの?」「保険料が2重にならないか?」などの疑問が多く寄せられます。本記事では、転職時の社会保険の仕組みと手続き、支払いに関するポイントをわかりやすく解説します。
社会保険は会社ごとに加入・脱退の手続きが必要
日本の社会保険制度では、保険の加入は個人ではなく勤務先ごとに行われます。したがって、たとえ前職で社会保険に加入していたとしても、新しい職場でもあらためて加入手続きが必要です。
転職の際には、前の職場で「資格喪失届」、新しい職場で「資格取得届」がそれぞれ健康保険組合や年金機構に提出されます。この切り替え手続きがスムーズに行われれば、保険が途切れることなく継続されます。
月の途中で転職した場合の保険料の扱い
社会保険料は「在籍していた日数」ではなく、「その月の最終的な在籍日」によって決まります。つまり、その月の末日に在籍していた会社が、その月の社会保険料を全額負担します。
たとえば、6月10日にフリーターの仕事を辞めて、6月15日から正社員として働き始めた場合、6月末日に在籍しているのは正社員の会社なので、その会社が6月分の保険料を支払うことになります。前職分と二重に支払うことにはなりません。
会社が切り替え手続きを忘れるとどうなる?
まれに前職や新職場の事務手続きの不備により、社会保険の切り替えが遅れるケースがあります。この場合、健康保険証が使えなかったり、年金の納付記録に漏れが生じることもあります。
もし2週間経っても保険証が届かないなど不安なことがあれば、新しい勤務先の総務担当や保険組合に確認しましょう。必要に応じて仮の保険証(資格証明書)を発行してもらうことも可能です。
保険証が2枚届いた場合の対処法
前職での資格喪失届が遅れた場合、前職と新職両方の健康保険証が届くことがあります。その場合は、新しい会社の保険証を使用し、前職の保険証は返却します。
誤って前の保険証を使用してしまうと、後から医療費の返還を求められることがあるので注意が必要です。
まとめ:転職月の社会保険は「月末時点の会社」が基準
転職による社会保険の切り替えは、基本的には会社単位で行われ、個人が特別な手続きをする必要はありません。月の途中での転職であっても、月末時点で在籍している会社が社会保険料を負担するため、二重に支払うことは原則ありません。
ただし、保険証の発行や年金の記録に関して不備がないか、自身でも確認する姿勢が大切です。転職後の手続きが不安な方は、新しい勤務先の労務担当や社会保険事務所に相談するのもおすすめです。
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