海外に居住しながら日本の年金を受け取ることは可能ですが、国民年金や厚生年金、厚生年金基金など、それぞれの制度によって受給開始時期や申請方法、振込条件が異なります。本記事では、タイを含む海外在住者が年金をスムーズに受け取るために必要な情報を解説します。
日本の年金は海外でも2ヶ月に1回の支給
日本の老齢年金(国民年金・厚生年金)は、原則として偶数月の15日に2ヶ月分まとめて支給されます。これは日本国内に住んでいる人も海外に住んでいる人も同様です。
例えば、4月と5月分は6月15日に支給され、6月と7月分は8月15日に支給されるという形式です。海外口座への送金には別途手続きが必要ですが、支給サイクルは変わりません。
厚生年金基金の受給開始時期について
厚生年金基金は、企業年金の一種であり、通常の厚生年金とは別に支給される私的年金に近いものです。原則として、受給開始年齢は65歳からです。ただし、基金によっては60歳からの支給が可能なケースもあります。
ご自身が加入していた厚生年金基金の規約やパンフレットを確認することが重要です。また、受給開始にあたっては、基金に対して別途申請が必要となります。
年金受給のために必要な手続きと書類
海外からの年金受給を希望する場合、以下の書類が必要になります。
- 年金請求書
- 年金証書の写し
- 銀行口座情報(海外送金が可能な形式)
- パスポートの写し
- 現地住所の証明
また、「現況届(生存証明)」は、年に1回、日本年金機構に提出が必要です。これを提出しないと、支給が停止されることがあるため注意が必要です。
どこに手続きをすれば良いのか?
基本的な年金の請求は、日本年金機構または管轄の年金事務所(たとえば名古屋年金事務所)で行います。厚生年金基金については、各基金に直接書類を送る必要があります。
今回のケースのように、基金の手続きを年金事務所に提出した場合、年金事務所から基金に転送される場合もありますが、遅延や書類不備で時間がかかることもあるため、進捗が不明な場合は直接基金へ問い合わせましょう。
海外送金の注意点と実際の振込タイミング
日本の年金を海外口座に振り込む場合、現地通貨での振込となり、為替レートや送金手数料が発生します。通常、支払月の15日に日本から送金され、数日〜1週間程度で現地口座に着金するケースが多いです。
振込先銀行によっては、送金に時間がかかることがあるため、事前にご自身の銀行に相談することをおすすめします。
まとめ:海外在住でも日本の年金は問題なく受給できる
海外に住んでいても、適切な手続きと書類を提出すれば、日本の公的年金や厚生年金基金を受け取ることは可能です。ただし、基金の支給開始年齢や申請先が異なるため注意が必要です。
万が一、手続きに不安がある場合は、管轄の年金事務所や基金に直接問い合わせることでスムーズな受給につながります。
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