親の施設入居・実家の相続で揉めないために今から考えるべきこととは?兄弟間の公平性を保つ相続準備

税金、年金

親が高齢になり、施設入居や相続のタイミングが近づくと、実家の不動産や財産を巡って兄弟間で意見の対立が起こることも珍しくありません。とくに親と特定の子ども(例:近居の次男)が密接に関わっている場合、他の兄弟からは不公平に感じられることもあるでしょう。この記事では、兄弟間でトラブルにならないための準備や、親の通帳・財産管理、実家の相続について解説します。

施設入居後の財産管理:通帳を兄弟で共有する方法はある?

親が施設に入居すると、通帳や印鑑、支払い手続きなどを誰が行うかが問題になります。家族で協力して管理するには、まず「任意後見契約」や「家族信託」といった制度を利用する方法があります。

実際には一人が代表して通帳を管理するケースが多いですが、他の兄弟が内容を確認できるように定期的な報告やオンラインバンキングの共有閲覧設定を行うと透明性が保てます。事前に兄弟間で話し合い、財産管理の責任分担を決めておくことがトラブル回避につながります。

実家の不動産をどうする?兄弟の思惑と親の意志をすり合わせる

親が施設に入居して空き家となる実家の取り扱いについては、親の意向を尊重しつつ、兄弟全員で公平な方針を話し合う必要があります。たとえば次男家族が「子どものために欲しい」と言い出したとしても、それを無償で譲るのか、買い取ってもらうのか、賃貸に出すのかなど、親の考えと兄弟の希望をすり合わせる場が必要です。

親が健在なうちに「遺言書」や「家族会議」で意向を明確にしておくことで、亡くなった後に揉めるリスクを大きく減らせます。

内孫びいきと公平性のバランスをどう保つか

親にとって、近くに住む孫(いわゆる内孫)への愛情が強くなりやすいのは自然なことです。しかし、それが資産の偏った分配につながると、他の兄弟から不満が噴出することも。家や土地を特定の孫や家族に譲る場合は、「贈与」または「遺贈」として明確に記録し、他の相続人への配慮(代償分割や遺留分の配慮など)を行うことが重要です。

具体的には、「土地は次男に譲るが、相応の現金を他の兄弟に用意する」などの工夫をすることで、相続時の公平感が保たれます。

施設入居後の負担は誰が担う?感情論と義務の線引き

施設への手続きや見守りなど、現実的なサポートを担うのは、近居の家族に頼らざるを得ない場合が多いです。そのため、「今頼っている分、将来は任せるつもり」と親が考えていても、それを兄弟全員が認識していないと誤解や対立を生みます。

介護や手続きの分担と遺産の分配を切り離して考えることが難しいため、「介護したから多く相続できる」といった感情論ではなく、親の明確な意志を文書化(公正証書遺言など)しておくことが解決への近道です。

今からできる準備:遺言書・家族信託・エンディングノート

相続や老後資産のトラブルを回避するには、以下のような対策が効果的です。

  • 遺言書の作成:公正証書遺言で親の意志を明確化
  • 家族信託の設定:通帳・不動産などの財産管理を信頼できる家族に託す
  • エンディングノートの記入:財産一覧や希望を書き残すことで家族の混乱を防ぐ

こうした準備を早めに行い、兄弟間でも共有しておくことで、義理実家の未来の混乱を最小限に抑えることが可能です。

まとめ:トラブルの芽を摘むには「話し合いと記録」が鍵

義理親が施設に入居し、家や土地の扱いや財産管理が現実味を帯びてきたとき、兄弟間の不和が表面化しやすくなります。その前に、親の意志を明確にし、公正証書遺言などで記録に残すことが最も有効です。感情論だけでなく、法的な仕組みをうまく活用して、親族全員が納得できる形を整えていくことが、将来の安心に繋がります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました