高校を卒業後、フリーターとして働いている方の中には、「社会保険って何?加入しないとダメなの?」「月14万円も稼いでいるけどバイト先が何も言ってこない…」と不安を感じる方も多いでしょう。この記事では、17歳の若い労働者でも知っておくべき社会保険の基礎と、加入すべきかどうか、未加入期間の対応、保険料の目安までわかりやすく解説します。
社会保険とは?なぜ加入が必要なのか
社会保険とは「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」の総称です。主にフルタイムに近い働き方をしている方が加入対象となります。
社会保険に加入していれば、医療費の負担が軽くなる、年金の受給資格が得られる、失業時に失業手当を受けられるなど多くのメリットがあります。特に厚生年金は将来の老後資金に直結する重要な制度です。
社会保険に加入すべきか?条件をチェック
社会保険に加入すべきかどうかは、以下の5つの条件をすべて満たしているかで判断されます(通称「106万円の壁」)。
- 週20時間以上働いている
- 月額賃金が88,000円(年収106万円相当)以上
- 勤務期間が2か月以上見込まれる
- 学生でない
- 勤務先の従業員数が101人以上(2024年10月からは51人以上)
質問者は月14万円+6万円=月収20万円相当で、週20時間以上働いており、高校卒業後なら学生ではないと仮定できます。そのため、もし勤務先が上記の規模以上であれば、社会保険に加入する必要がある可能性が高いです。
① 社会保険には自分で入る?バイト先に言うべき?
社会保険は「自分で加入するもの」ではなく、「雇用者(バイト先)が手続きするもの」です。自営業やフリーランスでない限り、勤務先が加入義務を負っています。条件を満たしているにもかかわらず加入していないなら、まずは勤務先に「社会保険に入る必要があるのでは?」と相談することが大切です。
もし雇用者が加入義務を怠っていた場合、法律違反に該当することもあります。
② 社会保険の未加入期間はどうなる?さかのぼり加入の可能性
条件を満たしていたのに加入していなかった場合、勤務先と協議のうえでさかのぼりで加入(遡及加入)することがあり得ます。これは会社側が申告・支払いに同意した場合のみで、原則は直近の月からの加入になります。
ただし、悪質な未加入が発覚した場合、厚生労働省や年金事務所が指導に入り、強制的にさかのぼり加入を指導する場合もあります。その際、過去の保険料の半額をバイト側が支払う必要があります。
③ 社会保険料はいくらくらいかかる?
社会保険料はおおよそ給与の13%〜15%ほどが目安です。月20万円の収入があれば、2.5万円〜3万円前後が天引きされるイメージになります。
ただし、社会保険料には雇用主(バイト先)が半額負担する義務があるため、実際には本来より少ない負担で済んでいます。また、社会保険に入っていれば、国民年金や国民健康保険に自分で加入する必要がなくなるため、将来的には負担軽減になるケースも多いです。
もし違法だったらどうなる?脱税になる?
社会保険に未加入だったからといってバイト本人が脱税になることは基本的にありません。社会保険は所得税や住民税と違い、会社が徴収・納付の義務を持つからです。
ただし、年末調整を受けていない、源泉徴収票をもらっていないなどの状況で確定申告が必要になる場合は、自分で正確に税申告をする責任があります。
まとめ:社会保険は「入るか迷うもの」ではなく「条件を満たせば加入義務があるもの」
17歳であっても社会保険に関する知識は重要です。一定の労働条件を満たしているなら、自分からバイト先に社会保険加入について相談することが必要です。
また、未加入期間があっても焦る必要はなく、必要に応じてさかのぼって対応されるケースもあります。不明点がある場合は、年金事務所や税務署などの公的機関に相談するのも有効です。
コメント