自動車保険には「等級制度」という仕組みがあり、事故の有無によって翌年度の保険料に大きく影響します。特に長期契約の最終年に事故を起こした場合、更新後の等級がどうなるのか混乱しやすいポイントです。この記事では「6S等級・3年契約」の3年目に事故を起こしたケースをもとに、更新後の等級と事故有係数の関係を解説します。
等級制度と事故有係数の基本
自動車保険の等級制度は「1等級(最も高い保険料)」から「20等級(最も割引が大きい)」まであり、無事故で契約を継続することで等級が1つずつ上がります。事故を起こすと原則として「3等級ダウン」し、かつ事故有係数が3年間適用される仕組みです。
事故有係数とは、等級に応じた割引率からさらに割り引かれるペナルティのことです。たとえば通常の5等級が割引率19%に対して、事故有の5等級は13%に下がるといった形です。
6S等級・3年契約とは?
「S等級」とは、3年長期契約における初年度の等級を示します。つまり6S等級とは「6等級でスタートした長期契約」という意味です。年数を経るごとに無事故であれば7、8等級と進む形になりますが、事故があった場合には3年分まとめて精算されるのではなく、最終年に等級判定が行われます。
つまり、6Sで契約し、1〜2年目無事故、3年目に事故があった場合、翌契約更新時には等級が事故の影響を受けます。
事故があった場合の等級と事故有係数はどうなる?
今回のように「6S等級」でスタートした3年契約の3年目に事故(3等級ダウン事故)を起こした場合、更新時には以下のように扱われます。
- 通常であれば3年無事故で9等級へ進む予定
- しかし3等級ダウンの事故により「6等級 → 9等級 → 6等級 → 5等級」へ
- このため、更新時は「5等級 – 事故有係数3年」になる
つまり、事故の影響は「1等級下がる + 事故有3年」が基本ルールであり、「5等級 – 事故有係数3年」が正解です。
事故有係数が2年になるケースは?
事故有係数が2年に短縮されるのは、「2等級ダウン事故」など軽微な事故で認定された場合です。今回のように「3等級ダウン事故」は重大な扱いとされ、事故有係数は3年間適用されます。
したがって、補償を利用した内容(対物・車両保険・人身傷害など)の詳細によっては、軽減されることもありますが、通常の3等級ダウンであれば3年が適用されます。
事故を起こした場合の対策と注意点
事故を起こしてしまった場合、更新前に保険会社から等級と事故有係数の詳細が記載された「満期案内書」や「更新手続書」が届きますので、必ず内容を確認しましょう。
また、事故後に補償を使わなければ等級ダウンしない可能性もあるため、「自己負担で修理するか否か」を冷静に検討することも重要です。
まとめ:事故後は5等級 – 事故有係数3年が適用される
今回のように3年目に事故を起こした場合、保険更新時には「5等級 – 事故有係数3年」が適用されるのが基本となります。事故有係数が2年となるのは、2等級ダウン以下の軽微な事故に限られるため、一般的な3等級ダウンでは3年間のペナルティがかかると理解しておきましょう。
保険の更新前に正しい等級と割引内容を確認し、今後の保険選びの参考にすることが大切です。
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