確定拠出年金(iDeCoや企業型DC)は、老後の資産形成に有効な制度ですが、元本保証ではないため、運用次第で利益が出ることもあれば損失が発生することもあります。本記事では、100万〜200万円を運用した場合、1年でどの程度の運用益が出れば「うまくいっている」といえるのか、そして損失の可能性も含めてリアルな視点で解説します。
確定拠出年金の年間リターンの平均値とは?
一般的に、確定拠出年金の平均的な利回り(年率)は、3〜5%程度とされます。これは、国内外の株式・債券・REITなどにバランスよく分散投資した場合のリターンです。
たとえば100万円を年利4%で運用できた場合、1年後の運用益は約4万円。200万円なら約8万円です。これが「堅実で安定した成果」とされる水準といえるでしょう。
元本割れは本当に起きる?
確定拠出年金は運用商品によっては元本割れのリスクも存在します。特に株式中心のハイリスク商品を選んでいる場合、相場の下落によりマイナス5〜10%以上の損失が出ることもあります。
たとえば、100万円の資産が1年後に95万円になったケースは珍しくなく、世界情勢や景気後退の影響を受けやすいことを認識しておく必要があります。
うまくいっていると判断できる利回りの目安
年率5%以上のリターンが出ていれば、「比較的うまくいっている」といえるでしょう。長期的に7〜8%以上の利回りを維持できるなら、非常に良好な成績と評価されます。
反対に、年率0〜2%程度であっても、定期預金や元本確保型の商品よりは良い結果といえます。利回りだけでなく、リスクとのバランスも見ながら判断することが大切です。
実際の運用成績例
ある会社員Aさんは、企業型DCで外国株式インデックスファンドに全額投資し、2023年の1年間で+11.2%のリターンを得ました(約150万円運用)。これは非常に良い結果で、S&P500などの指数と連動した商品による恩恵です。
一方で、公務員BさんはiDeCoでバランスファンド(株式・債券混合)を選び、+3.8%の成績。安定性を重視した運用ですが、銀行預金よりはるかに高い収益を得られた形となりました。
リスクを抑えて運用するには
確定拠出年金では、自分のリスク許容度に応じて運用商品を選べるため、分散投資が成功のカギとなります。株式だけでなく、債券やREITなどにもバランスよく配分することで、損失を最小限に抑えながら安定したリターンを狙えます。
さらに、年齢や退職時期に応じて、運用スタイルを変更する「ライフステージ別戦略」も重要です。リスクが取れる若年期は株式比率を高め、年齢が上がるにつれて債券などの安全資産にシフトしていきましょう。
まとめ:運用益の目安と損失リスクを知っておこう
確定拠出年金で100万〜200万円を1年間運用した場合、+3〜5%の運用益が出ていれば順調な結果といえます。ただし市場の状況によってはマイナスになるリスクもあり、それは決して珍しいことではありません。
大切なのは、単年の成績に一喜一憂せず、長期的な視点で資産を育てていく姿勢です。運用方針やリスク許容度を定期的に見直し、無理のない範囲で将来の資産形成を進めていきましょう。
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